※2008/08/12掲載記事の再掲です
夏真っ盛り、体はすでにバテ気味。食欲がないせいで、体調も優れない。こんなとき、お医者さんから「消化に良いものを食べてください」と言われ、まず思い浮かぶのが「うどん」。しかし最近になって、TVのバラエティ番組で「うどんは、本当は消化に悪い」という噂が急浮上。いったい、どちらが正しいのだろうか?
炭水化物は消化が早い
「うどんの主成分である炭水化物は、消化が早いのが特徴です」と話すのは、生命保険代理店・株式会社ドリームシンパシーに勤める管理栄養士、國枝加誉氏。炭水化物は、糖質と食物繊維で構成されている。特にうどんの炭水化物は、人間の体が消化可能な糖質の割合が高いため、より消化が早くエネルギー源として吸収されやすいのだ。
また、うどんの楽しみといえばプリプリとしたコシ。これは小麦粉をこねるときに生まれる「グルテン」によるものだが、これには、消化酵素を体内に入りやすくさせ、消化を促す働きがあるという。
さらに國枝氏によれば、うどんを製造する過程にも秘密があるそうだ。「ラーメンやそうめんは小麦粉以外にも油を使用し製麺するため、消化が遅く胃もたれなどの原因となります。一方、うどんは製麺中に油を使用しないので、他の麺類と比べて、より消化・吸収が早いといえます」(同)。つまり、どこから見ても、うどんが消化に悪いという要素はないということ。「“うどんは消化が早い"というのが、私たち専門家の間での統一の認識です」(同)。
噛まずに飲み込んでない?
「消化に悪いと思われてしまった要因を敢えて挙げるとすれば、きちんと噛まずに飲み込んでしまう場合です」(同)。咀嚼(そしゃく)すると消化液が分泌され、細かく噛み砕くことで、胃の中での消化がよりスムーズになるのだ。どんな食材でも、噛まなければ消化が遅くなるのは当然のこと。
喉越しを楽しみたいからと“ツウ”ぶらず、良く噛んで食べることが大切だ。
文●斉藤由美(エフスタイル)