シャープは13日、スマートフォン「AQUOS」の2017年冬モデルとして、フラッグシップモデルの新シリーズとなる「AQUOS R compact」、およびスタンダードライン「AQUOS sense」を発表した。
AQUOS Rに続くフラッグシップモデルのコンパクト機「AQUOS R compact」
AQUOS R compactは、「IGZOフリーフォームディスプレイ」技術により三辺狭額縁デザインを実現し、コンパクトなボディに4.9インチの画面を搭載。2013年から2015年にかけて採用されていた狭額縁「EDGEST design」を進化させ、当時の課題であった角張った形状やインカメラが下側に配置されるといった問題を克服。インカメラを画面内に配置し、持ちやすいラウンド形状を実現したという。
AQUOS Rと同様に120Hz駆動のディプレイを搭載することで動きの激しい動画や画面スクロール時の文字の残像を抑えて滑らかに表示する。また、液晶のクォリティはAQUOS Rに並ぶ高画質。画質安定化技術により、製造時に発生するディプレイパネルの色相・明るさの差を補正している。
また、イン側カメラはセルフィーで使用されることを意識し、撮影時にカメラへ視線を誘導するアニメーションを表示したり、画面を白く光らせるセルフィーフラッシュや美肌・小顔補正といった機能も搭載する。アウト側カメラは広角1,640万画素、オートフォーカス・露出・ホワイトバランス性能を向上させている。
基本性能として、最新オクタコアプロセッサ、DDR 4Xを採用。バスの高速化が120Hz駆動ディスプレイを支える。また、急速充電時の電池劣化を軽減する「インテリジェントチャージ」により、通常12ヶ月後には80%程度にまでバッテリー性能が劣化するところを、90%以上に維持するという。
「感覚的に」心地よく使えるスタンダードラインの新戦略モデル「AQUOS sense」
AQUOSのスタンダードラインは昨年度80万台の販売実績を持つ。ここに戦略機種として投入されるのがAQUOS senseとなる。AQUOSスタンダードライン初となる5.0インチ、フルHD解像度のIGZOディスプレイを搭載。
画面が濡れた状態でも扱いやすいタッチパネル、長く安心して使える高いメモリ性能、発売後2年で最大2回のOSアップデートに対応、またAQUOS R compactと同じくインテリジェントチャージ機能を搭載する。
AQUOS senseは、重さ約148g、サイズは144×72×8.6mm。5.0インチディスプレイ(1,080×1,920)、メインカメラ1,310万画素、サブカメラ500万画素。メモリはROM 32GB、RAM 3GB。バッテリー容量は2,700mAh、OSバージョンはAndroid 7.1となっている。
これら戦略的な2モデルの投入に加え、同社では2017年秋冬以降、アクセサリを拡充していくことを発表した。「ケースを選べない」という市場からの声に応えたもの。
その一つとして、AQUOS R向けにも発表された純正「Frosted cover」を新モデルにも積極的に導入する。これは、ケースのフタをすると白い画面に時計だけが見える状態になり、通知が届いた時や音楽を操作する際にはフタの表面を指でなぞる。するとその部分だけ画面がのぞいて見え、触れると操作ができるという、プライバシーに配慮したケースだ。
もう一つは、サードパーティのアクセサリメーカーとのコラボレーションによる「DESIGN FOR AQUOS」を開始するというもの。シャープ側はプロダクトラインアップの集約を図り、アクセサリメーカーが製品を提供することによってAQUOSのエコシステム拡大を図りたい考えだ。2017年秋冬ではイングレム、エレコムなど6社が参加。230種類以上のケースが製品化され、パッケージには統一ロゴが配されることになっている。
なお、今回発表されたモデルの販路は現在のところ未定。AQUOS senseは11月頃発売で、価格はAQUOS U、AQUOS Everなどと同程度が見込まれるという。AQUOS R compactの発売はそれ以降で、価格はAQUOS Rに次ぐ価格帯になることが見込まれる。
今年7月に発表されたAQUOS Rは好調が続いており、発売開始からの3ヶ月間で前年機種に比較して出荷台数は146%、これが牽引して今年度上期主要取引先出荷台数は173%となっている。長谷川氏は2018年度の早い時期に欧州市場にも参入を図り、事業の拡大を進めていく考えを示した。