マイホームの購入を考えるタイミングとして、新しい家族の誕生がきっかけになることも多いだろう。とはいえ、住宅購入は人生でもっとも高額な買い物といえるもの。価格や間取り、設備などできる限り家族の希望に見合った選択をしたい。
そこで気になるのは「子育て世代にとって理想の住まいとは?」という疑問。今回、リストグループが今年6月から販売している横浜市最大級のエコタウン「リストガーデンnococo-town(ノココタウン)」を訪ね、育児住宅の最新事情を取材してきた。
「ノココタウン」とは?
ノココタウンとは「農(のう)」「所縁(ここ)」「ECO(エコ)」を組み合わせた名称。その名からもわかる通り、同タウンは"やすらぎも。先進も。どれもある。"をキャッチコピーに、自然と先進が融合したエコタウンとなっている。
JR戸塚駅からバスで約15分の場所に立地し、約2万7,427平方メートルを誇る広大な敷地に全160棟の住宅が建設される(現在は一部が建設済み)。国土交通省が定める「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」の省エネ基準値の31%減を実現し、最高水準の5つ星を取得(予定)。全国でも有数の高い環境性能を誇ることも大きな特徴となっている。
同プロジェクトの立ち上げから携わる相澤毅さんは「これまで横浜市旭区市沢町、湘南鵠沼、世田谷区深沢……とエコタウン・エコハウスの開発を行ってきましたが、この戸塚の『ノココタウン』はその集大成ともいえるものです」と話す。では、実際に住宅環境をみていこう。
全棟に先進システムを搭載
まずは"先進"の部分に着目したい。同タウンの全160棟に、スマホやタブレットで家電をコントロールできる先進システム「インテリジェントホーム」が搭載されている。搭載デバイス数や100棟以上の規模においては、日本初だという。
実際、スマホやタブレットで何ができるかと言うと、外出先でエアコンのオンオフができたり、玄関に設置されたカメラで子どもの帰宅を確認できたりと、実に便利。生活の快適性が増し、なおかつ防犯にも優れたシステムとなっている。
子育て中は、やはり防犯には敏感になるもの。住宅内に設置されたセンサーやカメラで、外出中でも家の様子が把握できることによって不安の解消につながるのは嬉しい限りだ。
また、全棟に「太陽光発電システム」が標準装備されているほか、"パッシブデザイン"という風通りや日当たりが考慮された設計が採用されており、自然のチカラを利用して室内の温度が快適に保たれるなど、省エネ効果が高く家計に優しいこともメリットといえる。
……と、このように全国的にも稀有な先進的住宅なのだが、「先進でありながら、人との繋がりや地域色といった郊外ならではの"人の温もり"や"自然体験"も大事にしたかったんです」と相澤さんは語る。次はそんな"自然"についての一面をみていこう。
地域コミュニティーを生み出す仕掛け
敷地内を歩くと、各戸前に設けられた「ハーブ菜園」に目がいく。これは、各住宅がそれぞれ好みのハーブや草花を育て、住民同士でシェアするという取り組み。かつて、自宅の庭で育てた作物を近所の人と分け合うというのは、ごくごく自然なことだったが、最近はそんな習慣もあまり見かけなくなってきた。そんな今だからこそ、この「ハーブ菜園」をはじめ、同タウンには地域の人々との繋がりを生み出すための多彩な"仕掛け"が用意されている。
タウンの中に公園がつくられているのも、人との繋がりを生み出す仕掛けのひとつ。またその隣には、「nococoハウス」という多目的スペースも建設される予定だ。バーベキューなどが楽しめる「土かまど」が設置されるほか、子育て支援関連の団体やさまざまな専門家によるセミナー、ワークショップも開催されるとのこと。さらに、その奥には「nococoファーム」という野菜や草花を育てられる農園も拓かれる。
少し離れた場所であったとしても、小さい子どもを連れて移動するのは大変なものだが、このように家のすぐ傍に家族で自然と触れ合えたり、身体を動かしたりできるスペースがあるというのは、子育て世代にとっては実に有難い。
子育てがしやすい住宅環境とは?
ご自身も育児中だという相澤さんは、「自分の育児経験も踏まえ、今の時代だからこそ地域のコミュニティーを大切にし、"街全体で子どもを育てていく"という住宅環境をつくりたかったんです」と話していた。
急用のときに子どもを預けられる人がいない、子育ての悩みを相談できる人がいない……都会に暮らしていると、自分たちだけで子どもを育てることの難しさに直面している夫婦も多いのではないだろうか。かつてはごくごく当たり前だったように、近所の住民たちと支えあって暮らしていくことができれば、より充実した生活が送れるに違いない。
暮らしの豊かさが叶う"先進"、心の豊かさが叶う"自然"。その両方を兼ね備えた「ノココタウン」は、これまでなかった新しい育児住宅のカタチといえるだろう。