ファーウェイ・ジャパンは10月10日、SIMフリースマートフォンの最新モデル「honor 9」(オーナー9)を発表した。SIMフリーで勢いに乗るファーウェイが、9月発売のiPhone 8と11月発売のiPhone Xの間隙を突く形になった。
これまで国内では楽天モバイルが独占販売してきたhonorシリーズだが、honor 9からはMVNOを4社に拡大する。販路拡大の狙いはどこにあるのだろうか。
秋冬は「Mate 10」も投入へ
honor 9を一言で表すと、フラグシップの「HUAWEI P10」に近い性能を備えつつ、いくつかの機能を省くことで価格を下げた、コストパフォーマンスの高いモデルといえる。
一方で、外装にはオーロラのように輝く3D曲面ガラスを採用。落ち着いた印象のP10とは見た目が大きく異なる。若者を意識した、自己主張の強い端末だ。
さらに発表会の囲み取材では、日本・韓国市場のデバイス事業を統括する呉波(ゴ・ハ)氏が、10月16日にグローバルで発表予定の「Mate 10」を年内に国内投入することを明らかにした。
Mate 10はビジネス用途を意識したフラグシップの「Mate」シリーズの最新モデルで、AI関連の処理能力を高めた最新チップセット「Kirin 970」を搭載する。ファーウェイの先進的なイメージを強化する「AIスマホ」として、大々的にデビューする可能性が高い。
年末に向けて、矢継ぎ早に端末を投入するファーウェイだが、不安視されているのが供給体制だ。昨年12月の「Mate 9」の発売時には需要に供給が追いつかず、品切れが続いたことで消費者から不満の声が上がった。
ファーウェイとしては「嬉しい悲鳴」ともいえるが、2017年に入っても根本的には解決していない。ゲストとして登壇したNTTレゾナントの鈴木基久氏は「もっと供給してもらえれば、もっと売れる状態だ」と語った。これに対して呉氏は、「honor 9では万全の体制で臨む」としている。