田中貴金属工業は10月11日、2017年1~9月における資産用金地金・プラチナ地金の販売量と買取量を発表した。

金価格が上昇し、買取量が増加

2017年1~9月までの金地金の販売量は前年同時期比36.4%減の1万3,069kg。一方、買取量は同32.9%増の1万7,990kgと、4年ぶりに販売量を上回った。1~9月における国内の金平均価格は4,544円/gで、前年同時期(4,421円/g)と比べて123円上昇した。

年明け以降、米政権に対する不安感からくるドル安に加え、北朝鮮の弾道ミサイル発射により、安全資産である金への注目が高まり、国際金価格は8月に1,300ドル/ozを突破。国内金価格も8月29日に税込5,010円/gと5,000円の大台に乗った。金価格の上昇を受け、金の買取量は8月末から9月にかけて増加。7月から9月の買取量が年間買取量の4割以上を占めた。

プラチナ地金の販売量は前年同時期比48.5%減の5,810kg。一方、買取量は同13.9%増の3,151kgに増加した。国内のプラチナ平均価格は3,547円/gで、前年同時期(3,574円/g)を27円下回った。同社は「近年のプラチナ価格の下落傾向により金との価格差が広がり、相対的な割安感から販売量が増加した」と推測している。