音声アシスタントの「Siri」は、すでにiOSと切っても切れない関係だ。音声認識はクラウドで行うためiOSそのものの機能ではないが、iOSのバージョンアップに歩調をあわせて機能を増強、いまではサードパーティー製アプリにもSiri対応のものが増えた。コンピュータと声で意思疎通を図る「ヒアラブル」の時代は、すでに到来している。
しかし、Siriを利用している人を見かけることは希だ。混雑した電車の中で多くの人がスマートフォンをイジっているが、誰も話しかけたりなどしない。「○○○をメモ」などと口にすれば一瞬で終わる作業でも、周囲の目(耳?)を気にして画面タップでアプリを起動して作業している。他人に迷惑をかけたくない気持ちにくわえ、自分がやろうとしていることを周囲に知られる気恥ずかしさが、利用を妨げているのだろう。
そんなシャイなユーザの気持ちを汲んでか、iOS 11には気の利いた新機能が追加された。Siriの設定項目に新設された「Siriにタイプ入力」スイッチを有効にすると、音を立てずに文章でSiriに命令できるようになる。iOS 10のときも音声で入力した内容を編集することはできたが、最初になにか話しかけなければならなかったから、まったく無音でSiriを使うことはできなかった。
使いかたはかんたん、『設定』→「一般」→「アクセシビリティ」→「Siri」の順に画面を開き、「Siriにタイプ入力」スイッチを有効にすればOK。以降Siriは内蔵マイクによる声の聞き取りをパスし、ソフトウェアキーボードで入力した文章しか受け付けなくなる。
10月4日はSiriの誕生日。人前では恥ずかしくて口にできないけれど、文字入力なら「おめでとう」と伝えられる。え、文字入力でも恥ずかしい? ですよね~