※2010/01/26掲載記事の再掲です
病気やけがに備えて保険に加入したのはいいけれど、それだけで満足していないだろうか? 2009年には“かんぽ生命(旧簡易生命保険)が約60万件におよぶ請求漏れを調査……”、なんていう記事もあった。意外と多い請求漏れ。何かあったら保険金が向こうからやってくる……、なんてことはあり得ないのだ。
保険金を受け取るには、「自分から連絡」が鉄則!
病気にかかって入院することになったとしよう。加入していた保険で保険金が受け取れると思っていたけれど、支払われるどころか連絡の一本も来ない。「どうなってるんだ?」と保険会社にクレームの一つも言いたくなるところだが、これは無理のないこと。なにしろ、加入者から連絡が来ない限り、保険会社は入院の事実なんて把握できていない。病院から保険会社へ自動的に医療費の請求が行われるシステムにはなっていないのだ。
したがって、加入している保険会社の最寄りの支社や、自分の契約を管理している営業職員・代理店などへは自分から連絡し、必要な手続きを行うことになる。とは言え、それほど面倒な手順ではないのでご安心を。基本的には次のような流れを把握しておけば問題ない。
「連絡」⇒「書類の返送」で手続き完了!
さて、保険会社に連絡する際、押さえておきたいのが下記の情報。これらを知らせることで、保険金受け取りの手続きがスムーズに運びやすくなる。
・加入時に発行された保険証券に記載されている「証券番号」
・病名
・入院日・退院(予定)日
・手術日・手術名
連絡を受けた保険会社は、保険金の請求手続きについて案内書類を発行。加入者は、その案内に従って、請求書、診断書、保険証券など必要な書類をそろえて保険会社に返送すればいい。後日指定した口座に保険金が振り込まれる。もちろん保険契約の締結時に過去の病歴を隠していたり、現在の健康状態を偽っていたりした場合など支払われないケースもある。
書類の返送から保険金の支払いまでは、保険会社によって多少の差はあるものの、1週間程度と考えておきたい。
保険にも「時効」がある
「まあ、それだったらいつでも手続きできそうだな」とここで安心するのはちょっと早い。保険金を請求する権利には「時効」が存在するのだ。とは言え、保険契約が満期になっていた場合や、行方不明などですでに死亡しており数年経ってからそれが判明したなど、ケースによっては時効とならないことも。個々のケースについては、保険会社に直接問い合わせてみよう。ちなみに期限は加入時に渡される約款に記載されているが、3年としている保険会社が多いようだ(かんぽ保険は5年)。保険に加入したら面倒くさがらずに必ず約款をチェックして、時効についての把握も欠かさず行っておきたい。本当の安心は保険金を受け取ったときかもしれない。きちんと手続きを踏んで、加入したメリットはがっちりと享受したいものだ。
文●青山ミナミ(エフスタイル)