台湾MSIは10月5日、デスクトップ向け第8世代Coreプロセッサに対応するIntel Z370チップセットを搭載したマザーボードを発表した。国内市場における発売日や価格は未定だが、CPUの発売に合わせて投入するという。
Intel Z370チップセットは、デスクトップ向け第8世代Coreプロセッサ(開発コード名:Coffee Lake-S)に合わせて発表された。
基本的な仕様は前世代のIntel Z270は共通で、ソケットも同じLGA1151だが、第6世代Core(開発コード名:Skylake)や第7世代Core(開発コード名:KabyLake)との互換性はない。BIOSとIntel Management Engineの制約によって、第8世代CoreプロセッサをIntel 100シリーズや200シリーズチップセット搭載マザーボードに取り付けても動作しないという。
MSIでは「ENTHUSIAST GAMING」「PERFORMANCE GAMING」「ARSENAL GAMING」という3つのゲーミングセグメントに加えて、一般コンシューマやビジネスユーザ向けの「PRO」シリーズで製品を展開しているが、Intel Z370マザーボードでもこれは変わらない。
目玉となるのは「ENTHUSIAST GAMING」の「Z370 GODLIKE GAMING」で、ゲーム向けのみならずさまざまな機能を盛り込んだハイエンドモデルとなる。今回はこれをベースにMSI製Z370マザーボードに搭載された機能を紹介する。
デスクトップ向け第8世代Coreプロセッサでは、物理コア数が増えたほか動作周波数を大きく引き上げた。その分消費電力も増加するが、6コアCPU向けに設計されたデジタル電源回路や高品質コンポーネントを採用することで、安定した動作を実現するという。
「MSI Game Boost」をはじめとするオーバークロック向け機能も多数搭載。「Z370 GODLIKE GAMING」では、CPU内蔵のグラフィックス機能を非サポートとすることで、さらなるオーバークロックに挑むことができる。なお、「Z370 GODLIKE GAMING」ではIntel QSVなども利用できない。
基板上などにLEDを搭載し、イルミネーション機能「Mystic Light Sync」をサポート。同じく「Mystic Light Sync」に対応する周辺機器と組み合わせて、LEDの色や発光パターンを同期できる。LEDテープ用のピンヘッダも、汎用RGBストリップ用とレインボーストリップ用、コルセア製品向けなどを用意する。また、パートナー企業向けにMystic LightのSDKを提供するとしている。
ネットワークコントローラとして、Killer LANを採用。3基のギガビット対応有線LANにくわえてIEEE802.11ac対応無線LANを組み合わせて、最大3,867Mbpsの帯域が利用可能だ。ゲームなどアプリケーションごとに帯域を割り当てることもできる。また、LANのスイッチとして機能する「Killer xTend」をサポートする。
さて、「Z370 GODLIKE GAMING」で最も注力する機能の1つとして、サウンド機能が挙げられる。MSI製マザーボードでは、アナログとデジタルを分離したオーディオ回路や左右を分離したチャンネル、高品質なコンポーネントを採用する「Audio Boost 4」を実装している。
「Z370 GODLIKE GAMING」ではこれをさらに強化した「XTREME AUDIO DAC」を搭載。WIMAコンデンサやESSオーディオDACを採用し、ハイレゾに対応。6.35mmのヘッドホンジャックにより高インピーダンスのヘッドホンも使用できる。従来同様に「NAHIMIC 2+」によってバーチャルサラウンドや、ゲーム内で発生した音の位置を画面に表示する「Sound Tracker」といった機能も備える。
MSI製Z370マザーボードのラインナップは、ハイエンドのENTHUSIAST GAMINGが「Z370 GODLIKE GAMING」と「Z370 GAMING M5」の2モデルをそろえる。
また、メインストリームのPERFORMANCE GAMINGが「Z370 GAMING PRO CARBON AC」「Z370 GAMING PRO CARBON」「Z370 KRAIT GAMING」「Z370 GAMING PLUS」「Z370M GAMING PRO AC」「Z370I GAMING PRO CARBON AC」の6モデル。
エントリー向けのARSENAL GAMINGが「Z370 TOMAHAWK」と「Z370M MORTAR」の2モデル、PROシリーズで「Z370 SLI PLUS」「Z370 PC PRO」「Z370-A PRO」の3モデルを用意する。すべてを国内市場に投入するわけではなく、どの製品を展開するのかは現在調整中とのことだ。