アメリカでプロトレーダーの登竜門として有名なトレードイベント「WTC (Robbins World Trading Championship」、通称"ロビンスカップ"が日本で10月2日より開始された。アメリカでは34年間、毎年優れたトレーダーを生み出しており、WTCで優勝することはトレーダーにとって最高の栄誉となっている。会期は2018年2月28日まで。
プロトレーダーの登竜門となるWTC
同イベントは、投資家向けのデリバリティブ情報メディア「エムトレ」を運営しているRFS Managementによって開催。10月2日にWTCのメディア発表会が行われた。
発表会では、113.76倍という驚異のリターンを出した伝説級のトレーダー、ラリー・ウィリアムズ氏からのメッセージが寄せられたほか、WTC先物競技会のプロフェショナル部門で日本人として初の第3位を受賞した田中雅氏、ロビンス・トレーディング社主催トレード世界大会の2015年FX部門で優勝を果たしたバカラ村氏ら実力派トレーダーがゲストとして参加。さらにレーシングドライバーの澤氏も駆けつけ、会場を盛り上げた。
世界最大級のFX市場となった日本には、現在700万ものFX口座があると言われている。RFS Management 代表取締役の千代田氏は「WTCの開催によって、日本におけるFX市場のさらなる活性化を目指したい」とコメント。事業者、証券会社、FX会社に対しては「オープンな場を提供しましたので、自社のシステムをアピールする場として活用してほしい」、投資家に対しては「リアルなトレード環境の中で結果を残していただき、日本から第2のラリーを」意気込みを語った。
さらにラリー氏はビデオメッセージで「トレーダーにとって、このチャンピオンシップに参加する以上に人生を変えることは他にはない」と日本のトレーダーに伝えた。
実力派トレーダーが語る成功の秘訣
WTC公認証券・FX会社であるFXトレード・フィナンシャル、マネックスFX、デューカスコピー・ジャパン各社の紹介の後、エムトレにて海外ニュースや連載を執筆する益永氏の司会のもとで田中氏、バカラ村氏が登壇。実は音楽家が本業という田中氏はトレードを始めたきっかけは、1971年から始まった金(ゴールド)の投機ブームだったという。バカラ村氏は、トレーダーとして尊敬している人の1人としてラリー氏を上げ、ラリー氏に少しでも近づきたいという思いからWTCに参加したと述べる。両氏は、成功の秘訣を次のように語った。
「なぜ自分が負けるのか、必ず何か理由があるはずです。それを発見して負けないようにすることが第一だと思います。勝ちは天から降ってくるものですが、負けないようにするのは自分の努力でできます」(田中氏)
「自分の信念、相場観をブラさないようにすることです。色々な情報を得ていると、そちらに相場観が引きずられそうになりますが、信念をもって自分をブラさずにいるのが大事だと思います」(バカラ村氏)
最後に、益永氏は「簡単に言ってしまえば賭けの競技会ですから、1位になった人が必ずしもトレーダーとして優れているとは言い切れません。一種のゲーム感覚で参加していただければと思います。日本人の中から50倍くらいの勝率の方が出てこないかなと期待しています」と期待を語る述べる。
仮想通貨や先物を対象としてWTCも予定
FXを対象として日本で開催された第1回WTC。今回はFXのみが対象となっているが、今後は仮想通貨や先物を対象とするWTCを開催することも計画されているという。この大会からトップトレーダーが輩出され、日本のトレードとWTCがさらに発展していくことに期待したい。