ANAグループの中で羽田空港の運営・ハンドリングを担っているANAエアポートサービスは10月4日、日本で初めて、航空機の運航に関わる特殊機材であるトーイング・トラクターおよびパッセンジャー・ボーディング・ブリッジの訓練用のシミュレーターを導入したことを発表。これら特殊機材のオペレーター養成訓練を10月初旬から開始する。
ANAエアポートサービスは、これまでに特殊機材であるトーイング・トラクター(※1)やパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ(※2)のオペレーター養成訓練を航空機の運航していない時間(深夜帯)等を使用して、本物の航空機や特殊機材を使用して行ってきた。これらの訓練をより効果的かつ効率的に実施するため、専用シミュレーターの開発を東急テクノシステムと共同で行うこととした。
訓練へのシミュレーター導入により、実際の航空機や機材では訓練できなかったイレギュラーへの対応訓練も可能となり、また深夜の航空機の空き時間を利用することなく訓練が実施できるため、計画的で柔軟な訓練スケジュールが設定できる。このため、従来より短期間で通常操作に加えてイレギュラー対応などの操作スキルの高い人材育成が可能になることより、これまで以上に安全かつ、高品質な空港ハンドリング業務を実現する。
※1 トーイング・トラクター(航空機牽引車): 地上で止まっている航空機を牽引または押して移動させる特殊な作業車
※2 パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ(旅客搭乗橋): 空港ターミナルビルから航空機に乗客や乗員を乗降させるための設備。ボーディング・ブリッジの一端はターミナルビルに取りけられており、もう一端は車輪によって移動し、航空機の乗降口の位置にあわせて伸縮・旋回・昇降できる構造になっている