叡山電鉄は29日、700系1両を大幅にリニューアルし、2018年春にデビュー予定の観光用車両の愛称を「ひえい」に決定したと発表した。京阪グループ全体で取り組む観光ルート「山と水と光の廻廊(比叡山・びわ湖)」をさらに活性化させ、その道しるべとなるようにとの思いを込めたという。ロゴマークと車両デザインイメージも公開された。
新たな観光用車両「ひえい」は叡山本線出町柳~八瀬比叡山口間での運行を予定している。叡山電車の2つの終着点にある比叡山・鞍馬山が持つ神秘的な雰囲気や時空を超えたダイナミズムといったイメージを楕円のモチーフで大胆に表現した車両デザインが特徴。車体側面の窓も楕円形となり、比叡山の山霧をイメージしたというストライプを配した。
愛称に決定した「ひえい」は、叡山電鉄が1997年から運行している展望列車「きらら」と同じくひらがな表記とし、わかりやすさと親しみやすさを持たせた。ロゴマークは愛称の英文表記「HIEI」とともに、大地から放出される気のパワーと灯火を抽象化したデザインを用い、「Spiritual Energy(スピリチュアル・エナジー)」を表現している。
叡山本線は比叡山延暦寺への参詣ルートとして開業し、叡山ケーブル・ロープウェイとともに比叡山への京都側の足として利用されてきた。京阪グループは現在、京都中心部から八瀬・比叡山を経由し、坂本・琵琶湖に至る観光ルートを「山と水と光の廻廊(比叡山・びわ湖)」として活性化に取り組んでおり、この一環で700系を大幅リニューアルした観光用車両「ひえい」が導入されることになった。10月下旬には、叡山電鉄サイト内に「ひえい」に関する情報や沿線の観光情報を紹介する特設サイトも公開される予定だ。