年間150万人の日本人が利用する航空機のハワイ路線で、競争が激化しそうだ。日本航空(JAL)とハワイアン航空は9月26日、包括的業務提携を発表。2018年3月よりコードシェア便の運航やマイレージプログラムの連携を始めることを明らかにした。
背景には、全日本空輸(ANA)が2019年春に導入予定の超大型機「A380」への対抗という狙いがある。ハワイアンが提携先をANAからJALへと切り替えたことで、勢力図はどう変わるのだろうか。
JALを代表するハワイ線で提携、新たなスタート
記者会見には、日本航空から代表取締役社長の植木 義晴氏、ハワイアン航空からも代表取締役社長兼CEOのマーク・ダンカリー氏が登壇。JALが開設して63年目になるというハワイ線について、植木氏は「JALを代表する路線。ハワイアン航空との提携により、新たなスタートを切る」と宣言した。
具体的には、日本=ハワイ間の路線である成田、羽田、関西、新千歳、中部からのホノルル、コナ直行便のほか、それぞれの便から乗り継ぎ可能な日本国内線、ハワイ州内路線について、両社の便名を付与するコードシェアを開始する。両社のラウンジの相互利用やマイレージの積算、特典航空券の利用も可能にする。成田空港ではターミナルが分かれる両社だが、JALと同じ第2ターミナルにハワイアン航空が移転する見込みだ。
旅行商品としてはJALが販売する海外ツアー「JALPAK」でも、ハワイアン航空便を利用した商品を強化。今後は日米両国で独占禁止法適用除外(ATI)を申請し、アジア路線にもジョイント・ベンチャー(共同事業)を拡大していく構えだ。
ハワイアン航空について植木氏は、「88年の歴史を誇る航空会社。昨日もダンカリー社長と食事したが、ハワイアンは米国で13年間も定時到着率がトップ、JALも米FlightStats社の調査で5回トップになるなど、航空会社のCEOとして目指すところが似ている」と興奮気味に語った。
一方、ハワイアン航空は2010年に羽田=ホノルル便を就航。現在では東京から1日3便、大阪から1日1便、札幌から週3便を運航する。CEOのダンカリー氏もJALとの提携を歓迎し、「JALとハワイアンは多くの点でパートナーだ。搭乗した瞬間からバケーションの始まりを感じていただけるよう、温かいハワイのおもてなし精神を大事にしている」と語った。