疲れきった体に再びエネルギーを注入するためのいわゆる「スタミナ食」といえば、何を思い浮かべるだろうか。肉料理やうなぎ、スッポン、にんにく料理などをイメージする人も少なくないだろう。日々の労働や激しい運動で体力を使ったら、しっかりとご飯を食べて栄養やエネルギーを補給する。当然のことかもしれないが、毎日の健康維持のためには欠かせない大切なことだ。
ところで、この「スタミナ食」と聞いて連想するものは、日本人と外国人で共通しているのだろうか。それとも、日本とは異なる食文化で育った人たちは、日本人が思いもよらない料理や食材で疲れを吹き飛ばしているのだろうか。気になってみたので、日本在住の外国人20人に「母国のスタミナ食」を教えてもらった。
Q. 母国で「スタミナ食」として食べられているものは何ですか? 食べる頻度や量なども含めて教えてください
スタミナといえばやっぱり肉!
・「お肉です。私の家庭では、毎日1食は絶対にお肉が使われていました。ステーキやミートボール、ハンバーガー、焼き鳥、チキンなど絶対に一日1食はお肉です。『お肉は血を作る』ということわざもあります」(イタリア/20代前半/女性)
・「骨付き肉と野菜の煮込みです。週に3回ぐらいで1皿あたりは200g~でしょうか」(パラグアイ/50代/女性)
・「肉類です。特に牛肉がスタミナ食として食べられています。例えば、朝ごはんに牛肉を使ったヌードルスープをよく食べます」(カンボジア/20代前半/男性)
・「『Tapsilog』はがっつりスタミナをつけたい朝に食べます。Tapsilogとは『Tapa』(牛ひき肉)と『sinangag』(ガーリックライス)と『Itlog』(目玉焼き)の略です。一緒に食べると味がとても合います」(フィリピン/30代後半/女性)
・「牛肉です。毎日食べた方がいいと思います」(オーストラリア/30代後半/女性)
・「マトンやチキンなどの肉を食べます」(インド/30代前半/男性)
・「豚肉やホウレン草、ナッツなど。1週間に3~4回くらい食べると思います」(スペイン/30代前半/男性)
「畑の肉」も忘れちゃいけない!
・「豆です。週に3回、1回あたり150gほど食べていました」(ペルー/40代/女性)
・「豆煮料理です。ほぼ毎食食べます」(スペイン/40代前半/女性)
カレーやホブズ、ポテト……その他のスタミナ食
・「カワーラアと呼ばれる牛や羊の足の部分です。コラーゲンを豊富に含んでいるスタミナ料理で、食べる頻度は家庭にもよりますが、月に1回程度ではないでしょうか」(エジプト/30代前半/女性)
・「基本的にホブズ(中東のパンでインドのナンに似ている)をよく食べます。ほぼ3食と一緒にですね」(シリア/30代後半/男性)
・「バジル炒め。タイ人は少なくとも週に数回は食べます」(タイ/40代前半/男性)
・「カレーライス。ほぼ毎日食べる」(マレーシア/40代前半/男性)
・「炭水化物を含むポテトとパスタが一般的に食べられています」(ドイツ/30代前半/男性)
・「ヨーグルト。毎日300gほど食べます」(ポーランド/30代前半/男性)
・「スタミナ食という概念はあまりないかも。でも肉を食べると強くなるイメージです。あと牛乳を飲むことも(骨が強くなるから)。アメリカの毎日のご飯は肉が中心という家庭が多いと思います」(アメリカ/30代前半/女性)
・「スタミナ食みたいなものは特にないと思います。例えば風邪をひいたり寝込んだりしたときはコンソメスープ(野菜の具がたくさん入ったもの)を食べるんですが……。ちょっと違うカテゴリーかな」(ハンガリー/30代後半/女性)
■総評
結果は、全体の3分の1を占めた「肉」が1位となった。肉に含まれるたんぱく質は、筋肉をつくるうえで必要不可欠な存在。炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素の一つであるたんぱく質はまさに体を動かすエネルギー源であり、その代表格的存在である肉を「スタミナ食」と考える人が多かったようだ。一方で、「畑の肉」とも称される大豆由来の豆料理と回答した人もいた。
その他では、マレーシア人の「カレーライス」やドイツ人の「ポテト」など、その国を代表する食事が選ばれているケースも散見された。ただ、スタミナ食=肉という発想はある程度、万国共通のようだ。
※写真と本文は関係ありません
調査時期: 2017年7月21日~2017年8月21日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート