日本の医療機関の快適さやサービスの質に対する外国人の本音は?

誰しも一度は病院や医院などで受診した経験はあるはずだ。個々の医療機関によって多少の差こそあれ、院内は清潔さが保たれており、医師や医療スタッフらも診察に訪れた人たちに対して丁寧に接してくれるだろう。

きめ細やかなケアやホスピタリティ、サービス精神は自身の健康に不安があるときはとりわけありがたい。訪れた医療機関で懇切丁寧な対応をしてもらえれば心強く、安心できるはずだ。

今回は日本在住の外国人20人に「日本の医療機関の快適さやサービスの質」にまつわるアンケートを実施。日本の医療機関と母国の医療機関を比較してもらったので、気になった回答を紹介しよう。

Q. 日本の医療機関の快適さやサービスの質などは母国と比較してどうなのか教えてください

日本の医療機関はすばらしい

・「日本のほうがずっといいです。患者へのケア、責任感、清潔さ、すべて日本のほうが上です」(エジプト/30代前半/女性)
・「とても快適だと思いますが、クリニックごとにカルテを作り直すのは効果的ではないと思います」(イタリア/20代前半/女性)
・「病院やクリニックがたくさんあるし、すぐに対応してくれます。料金もどこに行っても一緒だからとてもいいです」(ペルー/40代/女性)
・「母国よりはいいと思います。より親切丁寧と思います」(中国/20代前半/女性)
・「ハンガリーと比べて日本は施設・設備などがきれいかつ快適で、モダン。いやな『病院感』みたいなものがない」(ハンガリー/30代後半/女性)
・「日本の医療機関の清潔感は優れていると思います。整理や管理などについても非常に優れていると思います」(シリア/30代後半/男性)
・「日本の方がすべての面ですばらしいです。医師や看護師の対応が良くて、待ち時間も少ない。待ち時間があったとしても予約制を取り入れている。小さな町医者でさえもしっかりとしている」(タイ/40代前半/男性)
・「日本の医療機関はさすがにカスタマーサービスが優れています。母国と比べると患者さんのことを大事にしていますから」(スペイン/30代前半/男性)
・「すごくいい。ポーランドは快適さやサービスが低い」(ポーランド/30代前半/男性)

安価な医療サービスがよい

・「とにかく安いです! ちょっとした悩みがあれば気軽にクリニックに行けます。アメリカは保険があっても医療費が高くて、かなり大きな病気やけがでも病院に行かない人が多いです」(アメリカ/30代前半/女性)
・「日本の方がすぐに専門医に診てもらえる点がとても優れていて、しかも国民保険に入ってたら費用も安くなります」(オーストラリア/30代後半/女性)

母国の現状

・「発展途上国である母国は、国民の保険制度がなく質の良いサービスはお金持ちの人しか受けられないのが現状です。個人のクリニックでは医療サービスでお金儲けするところが多く、『医療機関といえばお金を使うところだ』と患者の不満も多いです」(カンボジア/20代前半/男性)
・「日本の医療機関は頼りになります。母国では高いお金を出さないとちゃんと診てもらえません」(スペイン/40代前半/女性)
・「日本の方が快適で清潔感がある。マレーシアの医療機器は古くて不安を感じる」(マレーシア/40代前半/男性)
・「どこの病院も綺麗でサービスが行き届いている。インドの病院は院内の表示や案内など、わかりづらいことが多い」(インド/30代前半/男性)
・「母国も産業先進国ですから、日本の質とはほぼ違いはありません。違いは『やり方』にあります」(ドイツ/30代前半/男性)
・「日本の病院はきれいで対応が丁寧です。母国の病院はきれいなところもありますが、保険がきくところ(公的)は対応が悪く、あまりサービスも良くないです」(パラグアイ/50代/女性)

■総評

日本の医療機関の快適性やサービスを高く評価する声が回答者の約半数から寄せられていることから、私たち日本人は恵まれた環境下で治療を受けられていることがあらためてわかったと言えよう。

日本での医療観光にはまだ問題が多いが、高い医療技術と快適な空間、そしてきめ細やかなサービスを提供する日本の医療機関に魅力を感じている外国人が少なくない事実は、その潜在需要が一定数あることを意味しているのかもしれない。

※写真と本文は関係ありません

調査時期: 2017年7月21日~2017年8月21日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート