現役をリタイアしたら、果たして国は生活を支えてくれるのか―― 。年金の受給開始年齢が引き上げられ、また高齢者の医療費負担額が重くなるなか、"老後の不安"を抱える人も多いことだろう。そこでマイナビニュース会員501名に、みんなが気にしている話題について聞いてみた。
Q.将来の暮らしにおいて、金銭面での不安はありますか?
「ある」と回答した人は455人(90.8%)、「ない」と回答した人は46人(9.2%)だった。
Q.老後に向けての資産形成について考えたことはありますか?
「ある」と回答した人は354人(70.7%)、「ない」と回答した人は147人(29.3%)だった。
「ない」と答えた147人に理由を聞くと「日々の生活に余裕がない」「先のことなので取り敢えず今を重視している」「何が必要なのかが分からない」「そろそろ勉強するべきとは思っている」などの声が上がった。
Q.老後の資産形成に向けてやっていることはありますか?
「はい」と回答した人は273人(54.5%)、「いいえ」と回答した人は228人(45.5%)だった。
「はい」と回答した273人に具体的な内容を聞いたところ「積立定期預金」「養老年金」「個人年金」「確定拠出年金」「貯蓄型保険」「株」「タンス貯金」「ネット銀行貯金」「生命保険」などの声が上がった。
Q.老後に必要な金融資産がどのくらい必要か把握していますか?
「はい」と回答した人は168人(33.5%)、「いいえ」と回答した人は333人(66.5%)だった。
「はい」と回答した168人に具体的な金額を聞いたところ、3,000万円~5,000万円の回答が多かった。月25万円という回答もあれば、1億円を超える額を回答した人もいた。
Q.現在、貯金はどのくらいありますか?
「ほとんどない」と回答した人は94人(18.8%)、「~50万円未満」と回答した人は44人(8.8%)、「50万円以上~100万円未満」と回答した人は32人(6.4%)、「100万円以上~200万円未満」と回答した人は47人(9.4%)、「200万円以上~500万円未満」と回答した人は85人(17.0%)、「500万円以上」と回答した人は199人(39.7%)だった。
最後に、老後までに用意したい貯金額の「理想」と「実際」について聞いた。
- 「希望は最低3,000万だが、現実は1,500万位でしょう」(51歳男性 / 愛知県 / 既婚 / 鉱業・金属製品・鉄鋼 / 技能工・運輸・設備関連)
- 「希望は5,000万だが、実際は500万に満たない可能性もあるのでは」(44歳男性 / 奈良県 / 未婚 / 専門店(ファッション・服飾関連) / 販売・サービス関連)
- 「豊かな老後を考えると5,000万必要だと考えるが、実際は不動産を含めても1,000万はないだろう。不動産の売れない状態」(44歳女性 / 石川県 / 未婚 / 教育 / 事務・企画・経営関連)
- 「最低1億は欲しいところだが実際は難しい。下手したらゼロ円の可能性もある」(44歳男性 / 埼玉県 / 未婚 / その他)
- 「1億、実際にそうなる予定」(41歳女性 / 東京都 / 既婚 / 通信関連 / 事務・企画・経営関連)
- 「食うに困らず年に数回は泊まりの旅行に行ける様な老後が良い」(41歳男性 / 静岡県 / 既婚 / 専門店(自動車関連) / 技能工・運輸・設備関連)
- 「希望は1,000万円、実際は親の介護で仕事を辞めることになってゼロ円になりそう」(44歳女性 / 大阪府 / 未婚 / その他 / その他・専業主婦等)
- 「希望は夫婦で1億だが、実際は4~5,000万くらいになるだろう」(56歳女性 / 三重県 / 既婚 / その他 / その他・専業主婦等)
総評
老後までにいくら必要か、いまの貯金額で将来に備えられるか、など気になる話題についてマイナビニュース会員501名にアンケートを実施した。
将来の暮らしにおいて金銭面での不安が「ある」と回答した人は、501名のうち455人にも上った。老後に向けての資産形成について考えたことの「ある」人は7割で、「ない」と答えた人も、その重要性は感じている様子。しかし、老後の資産形成に向けて実際にやっていることがある人はまだ半分に満たない。
老後に必要な金融資産について、3,000万円~5,000万円との回答が多く見られた。「いくら必要になるのか分からない」と考える人も多く、それが将来の不安が増大させているようにも感じた。
現在の貯金額については、ほとんどないが2割弱、~50万円未満が1割弱と、厳しい生活の実態がうかがえる。老後までに用意したい貯金額についても、理想と実際の金額がかけ離れている人が多い。リアイア後の生活をなんとなく考え始める40代~50代に多く回答してもらった今回のアンケート。"老後の不安"が、もうすぐそこまで迫っている。
調査時期: 2017年8月7日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 会社員501名
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません