「TSUTAYAのスマホ」として格安スマホ事業を展開するトーンモバイルが、9月15日にシニア向けサービスの強化を発表した。これまで子ども向けスマホに取り組んできた同社が次に狙うのが、約6000万人のシニア市場だ。

トーンモバイルが狙う約6000万人のシニア市場

だが大手キャリアや国産メーカーを中心に、シニア向けスマホに取り組む事業者は多い。トーンモバイルに勝算はあるのだろうか。

シニアを狙う特殊詐欺に対策、電話アプリに工夫

トーンモバイルが新たに発表したのが、「あんしん電話」サービスだ。振り込み詐欺や架空請求など、危険な電話番号からの着信時に画面上で注意を喚起する。規約に同意した全ユーザーに向けて、無料で提供するとした。

子ども向けの次は「シニア向け」に取り組むと宣言した、石田宏樹社長

導入の背景には「怒りがある」と、トーンモバイル代表取締役社長の石田宏樹氏は語る。「特殊詐欺には電話やインターネットが多用されている。これまで通信インフラを発展させてきた人間として、こうした詐欺に使われることに怒りを覚える」という。

特殊詐欺は増加の一途をたどる。被害の8割はシニア層

では、どうやって電話番号を見分けているのか。詐欺に使われた電話番号を記録した外部のデータベースに、トーンモバイルのIP電話や090電話のシステムを接続。さらに既知の番号だけでなく、様々なパラメーターから機械学習により危険を知らせる人工知能(AI)を組み合わせたという。

危険性のある電話番号から着信した様子

インターネットを利用したフィッシングなどの詐欺対策としては、Webフィルタリングと専用ブラウザーを「あんしんインターネットLite」として無料提供する。