ちいさなアトリエ「デンマークの赤ちゃんにまつわる習慣」

一年間暮らしたデンマークは、洗練されたモダンなデザインのインテリアとおとぎ話にでてくるような古い街並みがみごとに調和していて、昔ながらの素朴な生活や習慣にもあちらこちらで出会うことができました。そんな街で暮らすデンマークの人たちに教えてもらった赤ちゃんにまつわるハンドメイドのお話を。

まずは赤ちゃんにまつわる古い習慣のひとつ、家の玄関に木で作ったコウノトリの形をした看板です。コウノトリは小さな布の包みを持っていて中には赤ちゃんの人形が入っています。赤ちゃんの誕生を近所の人にお知らせするための昔ながらの習慣です。それを見かけた近所の人たちは「Tillykke med jeres nyankomme!」「赤ちゃんの誕生おめでとう!」と手作りのケーキなどを持ってお祝いに訪れたり、お手伝いできることはないかしら?と声をかけて訪ねてくれたりすることもあるそうで、子どもの誕生の喜びを地域の人と分かち合う、素敵な習慣だなあと心から感心したのを覚えています。そのあとも街角でその看板を見つけるたびに、幸せを分けてもらうような嬉しい気分になりました。