日本発の空飛ぶクルマの開発活動"CARTIVATOR(カーティベーター)"を運営するCARTIVATOR Resource Managementは9月14日、愛知・東京の2カ所に開発拠点を設置すると発表した。愛知拠点は豊田市の支援により、東京拠点は富士通とテックショップジャパンの支援により実現する。
海外では大手企業・ベンチャー企業などが都心部の交通渋滞緩和や災害時の活用などを目的に、すでに空飛ぶクルマの開発に着手している。CARTIVATORでは、2030年までに市販化することを目標に、陸空両用かつ長い滑走路や大型車庫などを必要としない、世界最小の空飛ぶクルマの開発を進めている。
愛知での活動は、9月17日に開所する「豊田市ものづくり創造拠点 SENTAN」(愛知県豊田市)に拠点を設置。「豊田市をものづくりのまちとして活性化していきたい」という想いを持つ同市より、CARTIVATORの活動に賛同を得て、今回の支援が決定した。愛知拠点では、CARTIVATORのメイン開発拠点として、試作機の製作・保管・メンテナンスなどの機体開発をはじめ、定例会や報告会などを開催する。
なお、愛知の開発拠点となるSENTANは、「ものづくりのまち」豊田市が、ものづくり企業や創業を志すものづくり団体に向け、「新たな事業展開」「イノベーション創出」「ものづくり人材育成」を支援する施設となっている。
東京での活動は、「TechShop Tokyo」(東京都港区)に拠点を設置する。これは、富士通ならびにテックショップジャパンより、両社の掲げる「イノベーションの創出」という考えのもと、有志で活動を行うCARTIVATORの活動に共感を得たことから、支援が決定した。東京拠点では、技術開発促進の重要拠点として、部品など試作品の製作をはじめ、定例会や報告会などを開催する。
東京の開発拠点となるTechShop Tokyoは、日本でのオープンイノベーションによる新たな事業創出やビジネスの支援・拡大を目指し、戦略的パートナーシップを結んでいる富士通とTechShopが共同で設立したテックショップジャパンが運営する、会員制オープンアクセス型DIY工房となっている。
さらにCARTIVATORは、今回の支援による活動拠点設置に先立ち、1/1スケール試作機である「SkyDrive SD-01」の設計を固めた。「子どもたちにも分かりやすい近未来スタイルのクルマ」をテーマに、ドライブモード時は四隅に張り出したフェンダーが自動車を連想させ、飛行モード時はフェンダーが変形してプロペラとなり浮上する「変形」仕様を提案する。CARTIVATORは、豊田市、富士通ならびにテックショップジャパンの支援を受け、2020年に世界へ向けた「SkyDrive」披露の実現を目指し、空飛ぶクルマの開発を加速させていくと言う。
CARTIVATORは、「モビリティを通じて次代に夢を繋ぐ」というミッションのもと、2012年活動開始。空飛ぶクルマ「SkyDrive」の開発を進めている。代表は中村翼氏で、会社員・学生などが余暇等を利用して活動に参加しており、メンバー数は約100人(2017年8月現在)。2020年に「SkyDrive」実機を世界へ向けて披露することを当面の目標としている。