Appleは9月13日、新モデル「Apple Watch Series 3」を発表しました。日本では9月15日に予約を開始し、9月22日に発売されます。価格は36,800円(税別)から。今回の目玉は、単体で携帯電話通信ができるGPS + Cellular(セルラー)モデルの登場です。

13日2時(日本時間)から始まったスペシャルイベントで「Apple Watch Series 3」が発表されました

セルラーモデルでスマートウォッチの可能性がぐっと広がる?

従来のApple WatchはiPhoneと接続させて使うことが前提の設計となっており、Apple WatchからiPhoneを経由してメッセージを送ったり、電話に出たり、通知を受信したりする必要がありました。Bluetoothが届かない距離にiPhoneがあると画面にアイコンが表示され、一部の機能が制限される状態だったのです。

しかし通信可能なSeries 3のセルラーモデルなら、Apple Watch単体でも電話の発信および受信、メッセージの送受信などコミュニケーションが取れ、通信だけでなく人とも「つながり続ける」環境が実現します。

従来のSIMカードの100分の1以下のサイズであるeSIMを内蔵。ディスプレイそのものがアンテナを兼ねる設計で、従来のモデルとほぼ変わらない本体サイズに仕上がりました

もうひとつは音楽とのつながりが生まれます。Series 2の本体には一度に1つのプレイリストしか保存できず、さらに最大2GBもしくは250曲の制限がありました。しかしSeries 3のセルラーモデルなら、Apple Musicの4,000万曲を手首の上でストリーミング再生できるようになります。

Apple Watchにはイヤホンジャックがないため、通話にしろApple Musicのストリーミング再生にしろ、ワイヤレスイヤホンの使用が必須になります。iPhone 7からイヤホンジャックが廃止され、今回の発表会では純正のワイヤレス充電器が発表されるなど、Appleはデバイスの無線化を進めています。もしすでに手持ちのワイヤレスイヤホンがあるのなら、Apple Watchの通信機能の強みをフルで活かせるはずです。

Apple Watchで通話や音楽機能を使いたいならワイヤレスイヤホンもほしいところ

なおセルラーモデルの発表にともない、キャリア3社がApple Watch Series 3とiPhoneで1つの電話番号を共有できる月額サービスを発表しました。ドコモは月額500円、KDDIとソフトバンクは月額350円(いずれも税別)で、ドコモおよびKDDIは、期日までに申し込むことで6カ月間無料になるキャンペーンを展開する予定です。

スペシャルイベントでも対応キャリアが公開されました。ドコモの「ワンナンバーサービス」は登録手数料500円が必要。2018年3月末までに申し込むと、登録手数料無料および月額使用料が180日間無料になります。KDDIの「ナンバーシェア」は、2018年12月末までに申し込むと、月額料金が最大6カ月間無料になります。ソフトバンクも同様のキャンペーンを実施予定とのこと

「いつも身につけ、いつでもつながる」状況が、新たな用途を生む予感もあります。子どもや高齢者、障碍者が身につけることで、保護者や支援者がサポートしやすくなるかもしれません。

アイデアと工夫次第で、未来の可能性がぐっと広がる製品になったこのワクワク感。これまではその役割をiPhoneが担ってきましたが、今回はApple Watchにバトンタッチした印象を受けました。