フィンエアーグループ(本社: フィンランド)は現地時間の9月5日、フィンエアーのFacebookグローバルアカウントのメッセンジャー上で、人工知能(AI)搭載チャットボット「Finn(フィン)」の運用を開始したと発表した。FinnはFacebookを通じて、フィンエアーの利用者の旅行にさまざまなサポートを行う。
Finnは英語対応のサービスだが、今後はより多くの言語や機能を学習し、2017年中にはフィンランド語と中国語に対応できるようになる予定。日本語対応については、現時点では未定となっている。今後、Facebook以外に中国のWeChatなどのソーシャルメディアプラットフォームでも、Finnを稼働させることを検討している。
Finnは利用者との会話によって継続的に学習を繰り返し、能力を高めていく。航空券の予約やフライトの運航状況確認などの要望に対応可能なほか、機内に持ち込める手荷物の重量を計算したり、利用者が必要なサービスを予約内容に追加できるよう予約管理ページに誘導したりする機能も備えている。また、Finnはよくある質問に答えるほか、答えられない質問の場合は、フィンエアーのカスタマーサービスにメッセージを送信して担当者に対応を促す。
Finnは、IATAの新流通規格である「ニュー・ディストリビューション・ケイパビリティ―」(NDC)のXMLベースのデータ通信規格によって可能になった新たな販売チャネルであり、今回導入したチャットボットは、航空業界向けテクノロジーソリューションを提供するCaravelo社(スペイン・バルセロナ)との協力によって開発された。Finnはまた、動画や画像コンテンツを活用したメッセージングを行うこともできる。
フィンエアーの流通担当バイスプレジデントであるロジャー・ヴァン・エンク氏は、「AIの活用はフィンエアーの変革戦略の中核を担っています。成長を続けるフィンエアーは顧客サービス向上のために常に新たな方法を探るとともに、新たな販売チャネルの開拓に取り組んでいます」とコメントしている。