前編では新型iPhoneに搭載されると見られるパーツに言及したが、新型の登場によって動くビジネスにはアクセサリもある。注目ポイントとして、中国マーケットをどうするかといったところも見逃せない。
ワイヤレス充電の本格普及へ
新型iPhoneが登場するごとに、iPhone向けのアクセサリ市場が活況となる。ケースや保護フィルムが各モデルに合わせて登場するのは例年のことだが、ハードウェアの新たなカテゴリが成長する契機にもなる。
2016年モデルのiPhone 7からはヘッドフォン端子が廃止され、アップルはケーブルのないBluetoothイヤホン、AirPodsをリリースした。6カ月以上の納期になるほどの品薄状態が長らく続いていたが、左右独立型のワイヤレスイヤホンのカテゴリでは85%のシェアを獲得するなど、アップルが新たなイヤホンのカテゴリを作ったと見ることができる。
既存のオーディオ機器メーカーやスマートフォンのアクセサリメーカーは相次いでBluetoothイヤホン、ヘッドフォンを充実させており、ワイヤレスオーディオ市場の活況に、iPhone 7の登場が関係したと言えるだろう。
その観点から言うと、新型iPhoneシリーズでの注目は、ワイヤレス充電機能への対応だ。発売直後ではなく、ソフトウェアアップデート後にサポートするとの情報もあるが、iPhoneシリーズを通じたワイヤレス充電への対応は、充電器やモバイルバッテリーなどに、新たなトレンドを巻き起こすことが考えられる。
現在、アップルは、Apple Watchで、業界標準的な規格の1つ「Qi」を用いてワイヤレス充電を実現しているが、一般のQi対応充電器でApple Watchを充電することはできない。iPhoneについても同様の措置が取られる可能性も指摘されているが、それは、iPhoneもサポートしたワイヤレス充電器の新製品が相次いで登場することを示唆する。
例えば、iPhoneとApple Watchを同時に充電できるワイヤレス充電スタンド、といった製品の登場にも期待することができ、ケーブルなしの充電がライフスタイルに広く入り込んでいくことが期待できる。