碧く美しい海に囲まれ、のんびりとした時間の流れる沖縄。多くの人にとっては、長い休暇でもなければなかなか行くことのできない場所だろう。しかし、都心からほんの数分の列車の旅で沖縄気分を満喫できる街があるという。今回は、そんな「沖縄タウン」で街歩き・食べ歩きをしてみた。
新宿からたった6分の乗車でたどり着く、京王線「代田橋」駅。なんとここには沖縄があるらしい。その名も「沖縄タウン」(東京都杉並区)。いったい、どんな街なのだろうか。
代田橋駅の北口を出ると、いかにもローカルでのどかな街風景があった。ところが少し進むだけで、クルマの往来の激しい国道・甲州街道に出くわしてしまう。事前に得られた情報は少なく、「本当にこんな騒がしい大通りの向こうに沖縄なんてあるのだろうか」と、相当に疑いつつも向かってみることにした。
「あれ? ここ沖縄かも」
甲州街道を越えると、沖縄を連想させる朱色のゲートが見えてくる。どうやら上にはシーサーまで乗っかっている。これが沖縄タウンの入り口だ。
沖縄タウン内の通りは、縦横に入り組んでいる。全て合計すると長さ380mにもなるという。沖縄料理の店が都内で一番多かったこと、そして大正~昭和時代の沖縄研究家である仲原善忠(なかはらぜんちゅう)氏が住んでいたことなどから、「よし、『沖縄』で街おこしだ!」ということになったのだそうだ。
そんな、特に沖縄の人が多く集まっているというわけではない街なのだが、通りに入った途端、「あれ? ここ沖縄かも」という気がした。大通りを折れただけとは思えないほどに静かで、何やら近くに海があるような気さえしてしまう(もちろん杉並区に海などない)。さらには、訪れた店という店の人たちまで沖縄的な人懐こさがあるとは、この時はまだ思いもしなかった。
「ゴーヤ豚まん」がかわいすぎ!!
数は少ないものの、ちらほらと沖縄風なたたずまいの建物が目につく。特産品を扱う店も多いようだ。特に沖縄三昧なのが、沖縄物産品店「いじゅん」。沖縄の揚げ菓子としてお馴染みの「サーターアンダギー」のミックス粉や、「ミミガー(豚の耳)」などなど、店内は沖縄の食品で溢れ、見ていて飽きない。
ここで紹介したい逸品は「ゴーヤ豚まん」(税別230円)。にがうりとも呼ばれる、あのゴーヤが入っているという。これは食べずにいられない。そして出てきてびっくり、形がかわいすぎだ。
「誰でも食べられるように、ゴーヤは少しだけ入っているのよ」(店主)とのこと。確かに、ゴーヤの存在はあまり感じない。もしかしたらゴーヤファンには物足りないかもしれないが、とにかく形のかわいさで許してほしい |
沖縄テイスト「ブルーシールアイスクリーム」
同じく「いじゅん」で、もうひとつ注目すべきは「ブルーシールアイスクリーム」(シングル税別250円/ダブル税別389円)。今では東京でも様々なところで手に入るが、この沖縄タウンの雰囲気の中で食べてみたい。フレーバーは「塩ちんすこう」「シークァーサーシャーベット」「サトウキビ」等々。選ぶのも楽しい。
「ブルーシールアイスクリーム」(シングル税別250円/ダブル税別389円)。写真は、手前が「塩ちんすこう」、奥が「ウベ(紅山芋)」。一応シングルなのだが、味見として「ピスタチオ&アーモンド」アイスを載せてくれたために、見た目が少々異様なものに。しかしいずれもリピートしたくなるほどに美味(筆者的に) |
かわいいグルメ&スイーツもいいが、やっぱりちょっと大人な食べ歩きもしてみたいところ。続いては沖縄名物のあのお酒たちも紹介していこう。