警察庁は9月7日、2017年上半期におけるサイバー空間の脅威動向を発表した。それによると、同時期に全国の警察に寄せられたサイバー犯罪に関する相談件数は前年同期比4.9%増の6万9,977件となり、過去最多を更新した。
仮想通貨の不正送金被害が急増
最も多かった相談内容は、「詐欺・悪質商法関連」の3万6,729件で、インターネットサイトで商品を注文し、代金を振り込んでも商品が届かないなどの被害がみられた。次いで「不正アクセス等・コンピューターウイルス」が6,848件、「相続人がいないため、十数億円の遺産をあなたに相続したい」といった「迷惑メール」が6,483件と続いた。
またビットコインなど仮想通貨のアカウントに不正アクセスし、別のアカウントに送金を行う手口が今年に入って初めて確認されたことが判明。被害件数は23件、被害総額は5,920万円相当に上り、5月以降も急増している。同庁によると、被害が発生している取引所ではいずれも二段階認証を導入しているものの、不正送金被害者のうち20人(80.7%)が同機能を利用していなかったという。 インターネットバンキングに係る不正送金被害件数は前年同期比645件減の214件。被害総額は同約3億3,300万円減の約5億6,400万円と大幅に減少した。要因としては、個人口座の被害額が大きく減少したことなどが挙げられる(同約5億1,300万円減)。