帝国データバンクは9月5日、「TDB景気動向調査2017年8月調査結果」を発表した。調査は8月18日~31日、全国2万3,621社を対象にインターネットで行われ、1万265社(大企業2,159社、中小企業8,106社、うち小規模企業2,641社)の有効回答を得た。
2017年8月の景気DIは、前月比0.1pt増の47.7となり、3カ月連続で改善した。雇用・所得環境が改善するなか、自動車や家電などの耐久消費財が買い替え時期を迎えたことがプラスに影響。また、災害復旧・復興工事や東京五輪需要も好材料となった。
一方、8月は長雨の影響でレジャーなどの個人向けサービスや農作物が低迷。国内景気は、一部の業種や地域で長雨が響いたものの、耐久消費財の販売好調などから2014年4月の消費税率引き上げ後の最高を更新した。
今後の国内景気は、堅調な外需に加え、設備投資や個人消費といった内需関連の拡大が期待されることから、回復傾向が続く見通しとなっている。
業界別にみると、「卸売」(44.3、前月比+0.1pt)、「小売」(42.7、同+1.2pt)、「サービス」(51.1、同+0.2pt)など7業界が改善、「農・林・水産」(44.5、同-0.4pt)など3業界が悪化した。家計可処分所得が増加してきたなか、耐久消費財などを中心に「小売」の景況感が押し上げられたほか、災害復旧・復興工事や東京五輪需要にともない、建材関連の景況感も改善した。他方、東日本を中心とした長雨による影響が一部業種で表れた。
規模別では、「大企業」が50.5(前月比+0.2pt)、「中小企業」が47.0(同+0.2pt)、「小規模企業」が45.7(同+0.1pt)となり、すべての規模において2014年4月の消費税率引き上げ後の最高を更新した。
地域別では、「東海」(48.8、同+0.7pt)、「中国」(47.7、同+0.7pt)など10地域中5地域が改善し、いずれも消費税率引き上げ後の最高を更新。一方、「東北」(45.4、同-0.3pt)、「北関東」(47.8、同-0.5pt)、「四国」(46.8、同-0.2pt)の3地域が悪化、「南関東」「九州」の2地域が横ばいに。公共工事の増加や自動車・半導体などが好材料となったものの、長雨の続いた地域では悪化した。