トーンモバイルが8月1日に発売した「TONE m17」は、子育て中のママに人気のファッション誌「VERY」が監修した見守り機能を備えています。本記事では、小学生の子どもに持たせるスマホとして、中高生のママである筆者が試用してみました。

TONE m17と「親子スマホの約束」の用紙

ジュースをこぼしても洗える頑丈なスマホ

トーンモバイルがMVNOサービス「TONE」にて発売中の「TONE m17」(富士通コネクテッドテクノロジーズ製)は、5インチディスプレイのスマートフォンです。価格は34,800円で、月額1,000円(インターネット使い放題+IP電話通話料を含む)からと、MVNOならではの手頃な価格に設定されています。

本体サイズは高さ144mm×幅71mm×厚さ8mm。重さは約148gです。白を基調としたプレート状の本体はスタイリッシュなデザインですが、見た目と裏腹に頑丈に作られています。米国国防総省が定めたMIL規格の23項目に準拠した耐久性と防水・防塵性能を備えているため、落としても濡れても大丈夫です。汚れてしまったときは食器洗剤やハンドソープで洗うことができるので、ジュースや食べ物の油でベタベタになってしまってもジャブジャブ洗えます。

「TONE m17」はスッキリとしたデザインで世代を超えて受け入れられる

背面はマットな白。底面にはストラップホールがある

汚れたら洗えるため清潔に保てる

夜10時から朝6時までスマホの使用を禁止できる

TONE m17は、子育て世代のママに人気のファッション誌「VERY」の監修による見守り機能を備えています。VERYの読者調査で子どもの「スマホ依存」を心配する声が多かったことから、夜間と早朝の使用を制限させる機能が搭載されました。夜10時から朝6時まで端末にロックをかけ、親だけが知っているパスコードを入力しなければ使えなくなります。

その設定を含め、アプリの種類と利用時間の設定は「スマホ親子の約束」という用紙を利用することができます。親子でスマホの使い方を話し合い、記入した「親子スマホの約束」を親のスマホで撮影すると、子どものスマホに設定されるという仕組みです。デジタル系の作業が苦手なママたちの声を反映した機能で、AIと文字認識により実現されているとのことです。

「TONE見守り」アプリで子どもの設定画面を開き、「親子の約束」をタップするとカメラが起動する

反映したい設定やアプリに黒丸を付け、時間などを入力する。カメラで撮影して「決定」すると、読み取られる

読み込めない箇所は赤字で表示されるので、手入力で修正する

用紙に書いたアプリは子どものスマホに「プレゼント」され、インストールできる

夜22時を過ぎると子どものスマホにロックがかかる

見守り機能を使う親のスマホは別機種でもよい

トーンモバイルは「TONEファミリーオプション」という見守り機能を提供しており、前述の「スマホの約束」もその設定の一部を簡単にする機能です。TONEファミリーオプションは、家族の位置情報の確認、閲覧できるサイトの制限、歩きスマホの警告などを、パソコンやスマホから利用することができます。「TONE見守り」アプリはAndroid、iPhoneに対応しており、親のスマホがトーンモバイルのスマホである必要はありませんが、その場合月額200円の利用料が掛かります。さらに、閲覧できるサイトを制限できる「あんしんインターネットオプション」も、親がTONEを使っていない場合は月額100円がかかります。

オプションで月額300円の上乗せにはなりますが、親が使い慣れたスマホを機種変更しなくても子どものスマホを管理できる点はありがたいですね。

TONEファミリーでは、GPSを利用した位置情報を把握できる。その他、歩きスマホを検知したときや「移動状態が乗り物に変わったとき」も通知を受け取れる

「あんしんインターネット」ブラウザではフィルタリングで不適切なサイトを見させない

無料サポートでスマホが苦手な大人でも安心

格安スマホといえばサポートが心配という声もよく聞かれますが、TONEはサポートを無料にしています。電話サポートだけでなく、箱にスマホを置くだけで不具合を検知して修復してくれる「置くだけサポート」という機能もあります。これはNFCを活用した機能です。問題が解決できないときは電話でオペレーターに相談することができます。

m17にはスマホには珍しく、A5サイズの取扱説明書が付いています。カラーで読みやすいので、紙でしっかり確認したい人にも向いています。

箱に置くだけでサポートされるので箱は取っておく

親にも子どもにも嬉しい深夜の使用制限

ここまで一通り機能を紹介してきました。最後に、TONE m17に感じたことをお伝えします。

働くママが多い現在では、ママの外出中に子どもが帰宅し、そのまま自分の足で習い事に向かうことも珍しくありません。そんなとき子どもがトラブルに巻き込まれずに移動できているのか、位置情報や通知で確認できるのは何よりも安心です。一方で、深夜までのLINEやYouTubeの閲覧に頭を痛めている保護者が多いのも現実です。「使わせたいけれど使わせたくない」という親の気持ちをうまく反映した機能がサポートされていると感じました。

特に「VERY」が監修した「夜10時から朝6時まで」ロックが掛かる制限は、ベストな時刻だと感じました。子どもがかわいそうだと感じる人もいるかと思いますが、「このスマホは親のせいで10時までしか使えない」という理由は、ダラダラと続くグループチャットをわだかまりなく抜けられる言い訳にもなります。

少し不安なのは、小学生が大好きなYouTubeの再生がスムーズでないところです。CPUの性能によるところも大きいのですが、高速チケットオプションを付けるか、Wi-Fi接続での視聴になるでしょう。また、本機に限らないのですが、フィルタリングを利用していてもYouTubeアプリの動画はフィルタリングされません。Googleアカウントは13歳未満の子どもには作れず、年齢による視聴制限は利用できないので、アプリで「制限付きモード」に設定しておくことをおすすめします。

スマホをノックし合うことで子どもの無事を確認できる「エアノック」機能など、見守りに関する豊富な機能が用意されています。きめ細やかに設定できる分、思い通りの設定にたどり着くには理解を深めなければなりませんが、初めてのスマホとして子どもに持たせるには良い機種と言えるでしょう。