いちごだって串焼きに! 博多は今、豚バラで巻く「野菜巻き」がアツイ

グルメ都市・福岡でぜひ食べてほしいメニューが「焼き鳥」。豚バラや、肉厚の鶏皮をカリカリに焼いた皮、ホルモンを串焼きにしたマルチョウに、イカ、厚揚げなど……実にバラエティ豊かな1本が、無料の生キャベツの上に、焼き立てと同時に供される。中でも、3～4年前から人気が急上昇しているのが「野菜巻き」で、最近は専門店も増えているのだ。早速、紹介しよう。

いちごにキウイ、みたらし団子までが串焼きに!

福岡で「焼き鳥」と言えば、鶏ではなく豚である。厚みがある大きな豚バラ肉を串焼きにした「豚バラ」は、焼き鳥の代表的メニュー。しかし近頃、予約が取れない人気の焼き鳥店と言えば、さまざまな野菜を薄い豚バラ肉でぐるりと巻いた「野菜巻き」の専門店だ。

今回紹介するのは、博多の総鎮守・櫛田神社からすぐの場所にある「博多やさい巻串屋 鳴門」。ここの野菜巻きは、とにかくスゴイ。レタスやニラ、博多万能ネギ、水菜やパクチーといった葉物をはじめ、季節の旬野菜、キノコ類、いちごやキウイといった果物など、グランドメニューとして約40種類の素材を巻きまくっている。

中には玉子焼きを巻いた「玉子巻き串」(259円)、熊本名物の辛子レンコンを巻いた「辛子レンコン巻き串」(270円)などの変わり種もあるほか、日替わりの巻き串も存在しており、取材日はなんと、「みたらし団子巻き串」(270円)を味わうことができた。

巻けるものは何でも巻く、チャレンジ精神がおいしさの決め手

一体、何を基準に巻いているのだろうか。同店の的野達朗店長によれば、「今まで手当たり次第、100種類以上は巻いてみました」とのこと。野菜はほとんど巻いたほか、「サッポロポテト」や博多銘菓「博多通りもん」、「バームクーヘン」などの菓子類、果物などにもトライしたという。

福岡は魚介がおいしい街だが、魚介の巻き串は見当たらないような……。「魚介もいろいろ巻いてみたのですが、魚介が持つたんぱくなおいしさと豚バラって、意外にあわなかったんです」(的野店長)。

実際に食材を豚バラで巻き、炭火で焼いて塩で食べてみることで、おいしいものとイマイチなものがはっきりするそうだ。

的野店長は、スーパーなどで食材を見つけるとすぐに「巻いてみよう!」と思ってしまうほどの、チャレンジ精神の持ち主。さまざまな食材をくるくる巻いて、スタッフ全員がおいしいと思うものはまず日替わり串で提供し、客からの評判が良ければグランドメニューへと昇格させる。

ショーケースに並ぶグランドメニューの串焼きは、いずれも激戦を勝ち抜いてきた、本当においしい1本なのだ。

練乳やバジルソースなど薬味も多彩

また、薬味においしくひねりを利かせているのも同店の特徴。「パクチー巻き串」(302円)にはチリソース、野菜をチーズで包んで巻いた串にはバジルソース、「いちご巻き串」「キウイ巻き串」(共に270円)の薬味は、なんと練乳だ。テーブルには、京都名物としてお馴染み「おちゃのこさいさい」の一味(赤、黒、柚子)もある。

「これからもいろんなものを巻いていきたいと思っています。お客さまがいつ何度来られても飽きさせない、新しい串焼きに出会えるよう、チャレンジし続けます」と的野店長。

野菜に限らず、「シャトーブリアン串」(1,512円)や「和牛カルビ串」(756円)、「トロタン串」(648円)など、こだわりの和牛を炭火で軽く焼き上げたぜいたくな「特選串」も提供している同店。肉から野菜、そしてスイーツまで、日々進化する"巻き"の新たな味わいをぜひ堪能しに来てみてほしい。

●information
博多やさい巻串屋 鳴門
所在地: 福岡市博多区上川端1-3 フタガミ本店 川端ビル1階
営業時間: 平日・日曜・祝日 17時半～25時(L.O 24時15分)
金曜・土曜・祝前日 17時半～25時半(L.O 24時45分)
※ランチタイムは月～土のみ11時半～15時(L.O 14時半)で焼き鳥メニューの取り扱いは無し
定休日: 無し(年中無休)

※記事中の情報・価格は2017年8月取材時のもの。価格は税込