ソニーモバイルコミニュケーションズが、ドイツ・ベルリンで開催中の「IFA2017」に合わせて発表したスマートフォン「Xperia XZ1」と「Xperia XZ1 Compact」。カメラの新たな撮影機能として搭載されたのが「オートフォーカス連写」と「先読み撮影の進化」だ。今回、現地で各機能の詳細を取材できたので、それを紹介したい。

Xperia XZ1シリーズのメインカメラは、有効画素数1,900万画素の1/2.3型メモリ積層型Exmor RS for mobileセンサー、焦点距離25mm(35mm判換算)の画角で絞り開放値F2.0のGレンズ、そして画像処理エンジンのBIONZ for mobileで構成されている。この3つを合わせて「Motion Eye」という名称が付いており、既存のXperia XZ Premiumと同等のスペックだ。

Xperia XZ1

Xperia XZ1 Compact

AFが高速だからこそなせる「オートフォーカス連写」

新機能はソフトウェア的な部分での拡張となる。「オートフォーカス連写」は、秒間10コマの連写に対して、AFを常に合わせ続けるという機能だ。ミラーレス一眼カメラの上位機種に採用され始めている技術だが、連写中も1枚ごとに測距を行ってピントを合わせるため、被写体が移動していてもピントが合った写真が撮れる。

これまでは、撮影開始時点のピント位置に固定されていたため、被写体の動きが速くて移動距離が大きいほど、ピントがずれてしまっていた。そうした問題を解消するのが今回の機能で、特にペットや子供の動きを撮影する際に便利だろう。

デモでは、空中にぶら下げた鳥のぬいぐるみが高速で降りてくるところを連写で撮影し、みごとにAFが動作しているところが示された。

接近するぬいぐるみに対して連写。連写中、1枚1枚フォーカスを合わせ直している

しっかりピントの合った画像が撮影できている

他社比較でも、Xperia XZ1のほうがしっかりピントが合っている

笑顔を検出して「先読み撮影」が可能に

「先読み撮影」はもともと、被写体の動きを検出した場合に動作し、記録を開始。シャッターボタンを押した瞬間からさかのぼって、適切と判断した画像だけを残すという機能だ。

動き検出をキーにしていたため、動体でなければ機能発動しないという欠点があったが、XZ1シリーズでは、人の笑顔を検出できるようになった。笑顔を検出すると記録を開始して、シャッターボタンを押した瞬間からさかのぼって最大4枚のベストショットを提示する。

笑顔の瞬間は、シャッターチャンスだと感じでも、スマートフォンのカメラでは即座に反応できず、撮影が難しいシチュエーションの一つだった。これを技術の力で克服したことは、大きなアドバンテージになるだろう。

表情がコロコロと変わる子どもの撮影に威力を発揮しそうな笑顔検出

なお、Xperia XZ1とXZ1 Compactはフラッグシップという位置づけで、すでに発売済みのXperia XZ Premiumとフラッグシップファミリーを形成する。そのため、XZ1シリーズに新搭載されたカメラ機能や3Dクリエーターは、アップデートによりXperia XZ Premiumでも利用できることになるそうだ。