ソニーモバイルコミニュケーションズが、ドイツ・ベルリンで開催中の「IFA2017」に合わせて発表したスマートフォン「Xperia XZ1」と「Xperia XZ1 Compact」。XZ1シリーズ専用アプリとして追加された新機能「3Dクリエーター」について、現地で詳細を取材できたので、簡単に解説しよう。
3Dクリエーターの概要は、カメラで被写体をスキャン撮影し、それを3Dの立体オブジェクトとして生成するというもの。XZ1シリーズのカメラを被写体に向けて、その周囲を動かしながら撮影していくだけで、手軽に3Dデータが完成する。
3Dクリエーターで作ったアバターと実際の人物でAR動画を作成した例。モデルは、プレスカンファレンスに登壇したソニーモバイルコミュニケーションズ EVPの古海英之氏とソニー・ヨーロッパ社長の粂川滋氏のお偉いさん2名。最高の "上司いじり" である |
人間の顔であれば、前面半分で30秒程度、後頭部を含めても1分程度で生成できるので非常に高速。被写体が動かない状態にあれば、撮影は手持ちで十分で三脚不要。指示に従って動かしていくだけで完成する。
人や料理など、それほど大きくない物がターゲットのようだが、実際に完成した3Dデータは高解像度のため、かなりリアルで自然な印象となる。アプリ内では、回転、拡大など、自由に操作できる。撮影した範囲であれば上下左右、どの位置にも動かせる。
例えばCGと合成してアバターとしてカメラ内に表示し、自分のアバターと一緒に撮影するといったこともできる。メッセンジャーアプリなどでスタンプとして送信する、といった用途も想定しているようだ。
作成した3Dデータは「.obj」形式で保存される。3Dモデリング・レンダリングソフトなどで一般的に使われているファイル形式なので、転用するのも簡単PCで対応ソフトに読み込んで編集して、3Dプリンターで出力するといったこともできる。簡単に、しかも高精度の3Dデータが生成できるのは意外に面白い。PlayStation 4、PS VRとの組み合わせなど、今後の拡張も想定しているという。
なお、Xperia XZ1とXZ1 Compactはフラッグシップという位置づけで、すでに発売済みのXperia XZ Premiumとフラッグシップファミリーを形成する。そのため、XZ1シリーズに新搭載されたカメラ機能や3Dクリエーターは、アップデートによりXperia XZ Premiumでも利用できることになるそうだ。