しなの鉄道はこのほど、開業20周年を記念して整備を進めている軽井沢駅「駅ナカ」プロジェクトの一環として、旧軽井沢駅舎記念館を駅舎として復活させると発表した。第1弾として10月27日に駅舎記念館ゾーン、第2弾として2018年3月23日にデッキ広場ゾーンと3階改札口ゾーンをオープンする。

旧軽井沢駅舎記念館リニューアル後のイメージ

第1弾となる駅舎記念館ゾーンは、今年3月で閉館した旧軽井沢駅舎記念館を中心に構成。新幹線開業時に現在地へ移設・復原された同館を軽井沢町から借り受け、軽井沢らしさを醸し出す外観や内装の上品なイメージはそのままに、駅施設のほかカフェやラウンジなどを整備する。駅事務室は正面左側の管理事務室を改装して使用。改札口は現状の木製の改札をそのまま活用する。

カフェは1階奥の旧展示エリアに設けられ、小布施の名店である桜井甘精堂が出店。小布施限定のスイーツ「栗の木テラスのモンブラン」や軽井沢店限定の新商品などを提供する。2階貴賓室に設けるラウンジは、おもに観光列車「ろくもん」の食事付きプラン・信州プレミアムワインプランの参加者向けとして使用する。飲み物のサービスなど、出発前・到着後に使用してもらう。

旅客用通路とトイレも新設される。1番線・2番線ホームと北口改札を結ぶウッドデッキを整備し、段差なく移動できるようにするほか、従来の新幹線などへ向かう橋上改札に行く場合は北側の旧1番線ホームにある階段やエレベーターも新たに使えるようにする。トイレは改札内と北側階段下に新設する。

北口改札と1番・2番ホームの間には、幼児を連れた利用者が親子で安心して楽しめる有料待合室「キッズクラブ」を新設。行き交う電車を間近で見られるガラス張りのスペースで、林業で有名な長野県根羽村産のヒノキも使用する。一度に10組(20名)の利用が可能だという。

施設全体の名称は「森の小リスキッズステーション in 軽井沢(仮称)」。しなの鉄道の観光列車「ろくもん」のデザイナーでもある水戸岡鋭治氏がトータルデザインを手がけ、施設内の各所に配置する家具やイスなども水戸岡氏が手がける。10月27日10時からオープニングセレモニーの実施を予定している。