ドクタートラストはこのほど、同社が2016年にストレスチェックの実施を受託した321の企業・団体(有効受検者数7万2,311人)における集団分析データをもとに算出した「仕事のコントロール 業種別ランキング」を明らかにした。
同社では7月、仕事のストレス要因から起こり得る疾病休業などの健康問題のリスクを表す「健康リスク」の業種別ランキングを発表した。健康リスクとは、「仕事の負担・コントロール」リスク、および「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクという2つの指標をかけ合わせた数値だという。
今回発表したのは、ストレス要因のひとつである「仕事のコントロール」に絞って、業種別にリスクをランキング化したもの。
仕事のコントロールとは、「自分のペースで仕事ができる」「自分で仕事の順番・やり方を決めることができる」「職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる」など、仕事をする際に個人がどれほど仕事をコントロールできるかの自由度が問われるもの。コントロールが困難な業種ほど上位にランキングされるとのこと。
ランキング1位となった業種は「医療・福祉」だった。患者や利用者の状況を見て、臨機応変に対応する「医療・福祉」は、働く側が仕事の手順やペース配分を決めることは困難になりがちとのこと。人手不足である職場では、なおさら仕事はコントロールしにくくなると考えられる。
「健康リスク」が最も高い「運輸」は2位だった。運輸は、個々の労働者が働くエリアの交通事情が大きく影響している可能性があるとのこと。3位以降は、「公務」「インフラ」「金融」となった。
ランキングの最下位で、最も仕事のコントロールが効きやすい業種は、郵便局員等の多い「郵便等」だった。「郵便等」は、「仕事の負担」ランキングでも最下位となっている。仕事の負担の少なさと自由度の高さは相関関係にあるのではないかと同社は分析している。