シャープは8月31日、世界初の8K対応液晶テレビ「AQUOS LC-70X500」の発表会を開催した。発売は12月1日、推定市場価格は100万円(税別)。

AQUOS LC-70X500

LC-70X500は、2018年12月に開始される8K実用放送を見据えて開発された。8K放送はまだ試験放送の段階で、今回のLC-70X500も8Kチューナーは搭載していない。ただし、実用放送の開始に合わせて投入されるという、8K/4K放送の受信機を接続することで8K放送に対応する。

なお、地上/BS/110度CSデジタルチューナーは標準搭載している。有線LAN端子も備えているものの、映像配信サービスには対応しておらず、単体ではオンラインの4Kコンテンツが視聴できない。

現在はBSデジタルを使用した試験放送を行っている段階。2018年12月から8Kの実用放送を予定

2018年12月の8K実用放送の開始に合わせ、8K/4K放送対応の受信機を発売予定

8Kの解像度は、フルHD/2K (1,920×1,080ドット)の16倍 (7,680×4,320ドット)。8K映像はそのコントラストの高さから、十分な立体感を得られるのが特長だ。コンテンツによっては、実物を見ていると錯覚するような映像を再現できるという。

フルHDは約207万画素、4Kは約829万画素、8Kは約3,318万画素と解像度が4倍ずつアップしている

前述の通り、現状は試験放送しか行われておらず、8Kコンテンツ自体もごくわずかしかないため、純粋な8K映像を楽しむことは難しい。一方で、現行のデジタル放送や4Kコンテンツを、8Kにアップコンバートして表示することはできる。また、HDRにも対応している。

フルHD/2Kや4Kのコンテンツの8Kアップコンバートが可能。4Kを超える写真データもそのまま表示できる

映像を補正するメガコントラスト技術を搭載

シャープでは、2015年に85型の8K映像モニターを、2016年には8K放送を受信できる高度広域衛生デジタル放送受信機を、今年6月には70型の8K映像モニターを発売しており、着々と8K事業を推し進めている。

今回のLC-70X500は、推定市場価格が税別100万円と高価に見えるが、6月に発売した8K対応映像モニターが約800万円だったことを考えると、かなりお手頃に感じられるのではないだろうか。

現在、4Kテレビのシェアは台数ベースで約30%、金額ベースで60%以上となっており、テレビ市場は確実に4Kに移行しつつある。そういった中での8Kテレビの発表は、4Kも含めた高解像度テレビ全体の注目度を上げるのか、それとも「近いうちに8Kの波が来るから4Kテレビを買うのは損」という風潮を作るのか、注視していきたいところだ。