MVNOサービス「OCN モバイル ONE」を運営するNTTコミュニケーションズは、LINE公式アカウントを通じて提供する問い合わせ窓口について、8月31日よりAIエンジン「COTOHA」を導入する。24時間受け付けるチャットbotを通じて、これからMVNOの導入を考えるユーザーの不安を軽減するための施策だ。
NTTが誇るAIエンジンを採用
今回サポート窓口としてAIを導入する背景としては、MVNOが普及し、ユーザー層のすそ野が広がっていることが背景にある。格安スマホ、格安SIMとしてMVNOを知り、興味はあるのだが、料金プランや設定方法がわからない、自分に合ったスマホの機種が選べない、といったユーザーの疑問が解消されず、興味は持ったものの、入り口で止まってしまい、その先に進めないという人が多いのが実情だ。
そこで、こうした疑問などに対して気軽に質問を投げかけ、いつでも回答できる環境を用意するため、NTTコミュニケーションズのLINE公式アカウントを利用したチャットbotが用意される。Bot(自動応答プログラム)によって24時間365日、いつでもユーザーからの問い合わせに答えることができ、もしAIでは回答できないような質問が来た場合は有人の問い合わせ窓口に転送する(日・祝以外の10:00~19:00のみ)という二段構えの体制で疑問に答えるわけだ。
サポートや初期の問い合わせにAIによるチャットbotを導入する企業は増えており、AIの進化によって、以前よりも応答の正確さや言葉遣いの自然さなども高まっている。今回のチャットbotのエンジンとなる「COTOHA」自体もすでにサポート用チャットbotとしての採用実績があり、クオリティは保証されている。
今回のチャットbotでは「リス太」というキャラクターが用意されており、このリス太に質問するかたちで問い合わせができるほか、3~6つの質問に答えるだけで最適なプランを推奨してくれる「ぴったり診断機能」が利用できる。質問の方式は「格安スマホって何?」といった自然文で入力できる。LINEが利用できるということで、文字入力や最低限のスマートフォンの操作といった、一定のリテラシーを持ったユーザーを対象にしているという。
ユーザー層の広がりにより、自分で必要な情報を入手できるユーザーばかりとは限らなくなってきており、ユーザーへの適切な情報提供手段は各MVNOにとって大きな課題となっている。直営店や販売窓口といった、ユーザーと直接触れ合う機会が増やせれば理想的だが、コスト的にも有人施設は高くつく。特にコスト面での制約が高いMVNOにとって、AIによるサポート窓口というのは、一種理想的な手段でもある。窓口としてLINEを選択したというのも現代的だ。一見地味な施策ではあるが、ユーザーに広く受け入れられるのか、興味深く見守りたい。