本田技研工業(ホンダ)は31日、都内で新型「N-BOX」発表会を実施した。新型「N-BOX」「N-BOX Custom」は9月1日発売。助手席スーパースライドシートを新たに採用し、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」を全タイプに標準装備としている。約80kgの軽量化により、優れた走行性能・低燃費・乗り心地を実現したという。
ホンダは2011年以降、先代「N-BOX」を皮切りに「N」シリーズを展開。既存の軽自動車の枠を超え、あらゆるニーズに対応した新たな価値を提案してきたという。「N-BOX」シリーズの累計販売台数は112万台を超え、2代目となる新型「N-BOX」も、8月30日の時点で受注台数2万5,000台を突破している。発表会で登壇した本田技研工業執行役員 日本本部長の寺谷公良氏は、新型「N-BOX」を「豊かな生活を実現するクルマ。あらゆる領域で大幅な進化を遂げています」と紹介した。
新型「N-BOX」の特徴について「軽量化による軽快な走り、多彩なシートアレンジによる使い勝手の向上、さらに『Honda SENSING』を全タイプに標準装備としています。『Honda SENSING』は今後発売されるすべての新型モデルで標準装備化を進めます」と寺谷氏。新型「N-BOX」の「Honda SENSING」では、衝突軽減ブレーキ(CMBS)や誤発信抑制機能など基本の8つの機能に加え、オートハイビームと後方誤発信抑制機能も追加した。
新採用の助手席スーパースライドシートは、助手席シートの前後スライド量を570mmとすることで、後席・運転席間の移動をはじめ、スライドリアシートと組み合わせることで多彩なシートアレンジを可能としている。新型「N-BOX」の開発責任者、白土清成氏(本田技術研究所 四輪R&Dセンター)によれば、「お子さんを乗せた後、簡単に安全に運転席へ移動でき、助手席からも後ろの席のお子さんとコミュニケーションが取れると思います。こうした多様な価値をファミリーへ提供するために開発しました。ジグザグに座席を配置して会話を楽しむなど、使い方は自由自在です」とのこと。
先代モデルでも支持された広い室内空間や存在感のあるデザインは継承しつつ、新型「N-BOX」ではプラットフォームやパワートレインを一新。高効率フロアフレーム構造や新たな接合技術の導入などで軽量化と高剛性化を両立し、CVTとサスペンションシステムの高性能化も図った。パワートレインは自然吸気エンジンにi-VTEC、ターボエンジンに電動ウェイストゲートを採用している。「新開発のパワートレインと約80kgの軽量化で優れた加速性能を実現し、余裕のある性能を生かしてリニアに加速する設定としたため、よりスムーズな運転が可能になったと思います」と白土氏は説明した。
新型「N-BOX」は1トーン全10色・2トーン全4色、新型「N-BOX Custom」は1トーン全7色・2トーン全5色で展開。「N-BOX」「N-BOX Custom」ともに一部グレードおいて「Honda SENSING」を装備しない仕様も選択可とされている。価格は、新型「N-BOX」が138万5,640~188万280円、新型「N-BOX Custom」が169万8,840~208万80円(ともに税込)となっている。