国土交通省は8月29日、「2016年度 空港別収支(試算結果)」を発表した。それによると、国が管理する26空港の営業利益は前年度比約1億円(0.6%)増の約179億円と、3年連続の黒字となった。経常利益は同約60億円(9.0%)増の約689億円。
赤字空港は1空港増加
主な要因としては、「訪日外国人旅行者数の増加に伴う航空需要の拡大と、それに伴うターミナルビルの売上高の増加等が影響している」(同省)という。
航空系事業(滑走路等)の営業損益は約198.3億円の赤字で、赤字額は同約6.3億円縮小。経常利益は同約58.1億円増の約347.9億円だった。東京国際空港の空港機能の拡充に係る費用が増加したものの、訪日外国人旅行者数の増加や国際線着陸回数の大幅増、LCCの新規就航などによる着陸料等収入の増加により、営業損益・経常損益ともに改善した。
非航空系事業(旅客・貨物ターミナルビル事業等)の営業利益は同約5.1億円減の約377.3億円。経常利益は同約2.0億円増の約342.0億円。施設整備などにより費用が増えたが、乗降客数が好調に推移したことで売上高が増加し、損益は前年度からほぼ横ばいとなった。
航空系事業と非航空系事業を合算したEBITDA(1年間の営業を通じて得られるキャッシュフローを表す指標)は同約7億円(0.6%)増の約1,128億円と、6年連続で増加した。
黒字空港数は16空港で前年度より2空港減。赤字空港数は9空港で同1空港増加した。