説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『自分のiPhoneでは「Jアラート」が鳴りませんでした!?』という質問に答えます。
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8月29日早朝、あのニュースが日本全土を震撼させました。テレビやラジオの報道で知った方も多いことでしょうが、iPhoneなどスマートフォンからこれまで聞いたことのない音が聞こえて緊急事態を知った方もまた多いはずです。そう、「Jアラート」です。
Jアラートは「全国瞬時警報システム」の通称で、大規模自然災害や外部からの武力攻撃といった緊急情報を国/政府から国民へ直ちに伝える目的で運用されています。当初は通信衛星や市町村防災行政無線の利用を中心としていましたが、平成26年4月以降はセルラー回線を利用した携帯電話/スマートフォンでの通知(緊急速報メール)も実施されています。
29日朝の件では、Jアラートが機能したこともあわせて報道されましたが、自分のスマートフォンには通知がこなかったと訝しむ声もあったようです。Jアラートは「緊急速報『エリアメール』」または「緊急速報メール」に対応した端末であれば受信でき、4G回線に対応していれば通話中/データ通信中でも受信できますから、iPhoneも設定に問題がなければ届きそうなものです(『設定』→「通知」画面の「緊急速報」スイッチ)。
しかし、Jアラート/緊急速報メールは日本全土を対象に発信されるとはかぎりません。総務省消防庁が公開している文書にも、「個々の具体的なケースに応じて、対象地域の範囲が異なります。広範囲に配信される場合もあります」との記載があります。
実際、29日朝にJアラートの対象地域とされたのは、北海道と青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、そして長野県というミサイル通過が予想された付近の道県です。ミサイル発射は北海道から沖縄まで日本全国で一斉に報道されましたが、対象地域が限定されうるJアラートの場合、緊急速報メールが届く地域と届かない地域があるということです。
対象地域外でも緊急速報メールの内容を知りたいという場合には、『Yahoo! 防災速報』などJアラートをサポートするサードパーティー製アプリの導入をお勧めします。実際、29日朝にJアラートが発信された直後(テレビニュースでJアラート発信が報道された直後)、横浜市で通知を確認しています。