関西電力は28日、関電トンネル(富山県・長野県)におけるトロリーバスを電気バスに変更すると発表した。同日に国土交通省北陸信越運輸局へ関電トンネルトロリーバス事業に係る鉄道事業廃止の届出も行ったとのこと。トロリーバス全車両(15台)を電気バスに変更し、2019年4月からの営業開始を予定している。
関電トンネルトロリーバスは立山黒部アルペンルートの移動交通機関のひとつ。黒部ダム~扇沢間(移動距離6.1km、所要時間16分)を結び、1964(昭和39)年8月からトロリーバスで運行開始した。これまで「トロバス」の愛称で親しまれ、累計6,000万人以上が乗車したという。関電トンネルで運行される現行のトロリーバス車両は1993~1996年に導入され、旅客定員は72名(座席数36席)だった。
新たに導入される電気バスは車載パンタグラフ方式を採用し、旅客定員は80名(座席数33席)。車体寸法は全長11,130mm×全幅2,485mm×全高3,465mm。車体重量(空車時)は11,200kgで、現行車両より1,000kg軽量化される。主電動機は三相同時電動機、出力は230kW、最高速度は現行車両と同じ50km/h。「運行ルートが中部山岳国立公園内であることから環境性を考慮するとともに、運行にかかる経済性等も踏まえ、トロリーバスから電気バスに変更することとした」と関西電力は発表している。
トロリーバスの正式名称は「無軌条電車」で、法律上も鉄道に分類される。国内では立山黒部アルペンルートの立山トンネル・関電トンネルで運行されており、関電トンネルに電気バスが導入される2019年以降、国内に残るトロリーバスは立山トンネルのみに。2018年は関電トンネルトロリーバスに乗車できる最後の年となることから、「トロバスラストイヤーキャンペーン(仮)」として各種イベントを実施する。