米Fitbitは8月28日 (現地時間)、スマートウォッチ「Fitbit Ionic」を発表した。フィットネスバンド市場でトップの同社は、昨年12月にスマートウォッチメーカーPebbleの開発チームと知的財産を吸収しており、Ionicはヘルス&フィットネス向けにデザインされたハードウエアと、サードパーティがアプリを作成できるFibit OSプラットフォームから成る本格的なスマートウォッチになっている。価格は299.95ドル。28日からFitbit.comで予約受付を開始、10月に発売になる。
Ionicは、水泳が可能な最大50メートルの耐水性能を備える。直射日光があたる状況でも表示を確認できる最大1000nitsの明るいタッチ操作対応ディスプレイ、GPS、Blutooth 4.0、NFC、高度計、加速度計、デジタルコンパス、環境光センサー、心拍数センサー、SpO2センサーなどを搭載。バイブレーション機能をサポートする。ヘルス関連やワークアウトのデータ、音楽の保存に使用する内蔵ストレージは2.5GB。時計としては、1回の充電で4日以上の使用が可能。GPSトラッキングや音楽再生を使うと約10時間だ。
ヘルス&フィットネス機能は、心拍数トラッキング「PurePulse」が改善され、サイクリングやランニング、インターバルなどエクサイズ中の心拍数計測の精度が増した。サポート機能も充実しており、エクササイズの記録開始を忘れても、スマートトラッキング機能によって、泳ぎ始めたり、ランニングやジョギングを開始すると自動的にエクササイズの記録が始まる。また「Fitbit Coarch」というパーソナルコーチ機能が新たに用意された。SpO2センサーは血中酸素濃度を計測し、そのデータを利用して睡眠時の無呼吸状態のチェックなどが可能になる。
米国では「Fitbit Pay」というモバイルペイメントサービスを数カ月中に提供開始する。主要なクレジットカードをサポートし、スマートフォンを携帯していなくてもIonicだけでNFCによるモバイルペイメントを利用できるようにする。これはFitbitが昨年5月に買収したCoinの技術を利用している可能性が高い。
新しいスマートウォッチ向けのFitbit OSは、OSアップデートによって継続的に改善され、新しい機能が追加される。標準アプリのほか、Pandora、Starbucks、Strava、AccuWeatherといったサードパーティがローンチパートナーとなってアプリを提供する予定。その他の開発者向けには、Webベースの開発環境「Fitbit Studio」を含むソフトウエア開発キットを9月中にリリースする。