経済産業省は8月21日、「IT関連産業の給与等に関する実態調査」の結果を発表した。調査期間は2017年2月下旬~3月上旬、有効回答はIT関連企業に勤務する個人5,000人、IT関連企業368社。
過半数が「年功序列の影響がある」と回答
職種別の年収平均とスキル標準レベル(7段階)を調べたところ、最も年収が高かったのは「コンサルタント」の928.5万円(スキル標準レベル平均4.1)。次いで「プロジェクトマネージャ」の891.5万円(同4.2)、「プロデューサー/ディレクター(ネット関連)」の792.9万円(同3.7)と続き、管理系職種の方がITアーキテクトなどの高度SEやIT技術スペシャリストより給与が高いことがわかった。
給与決定における「年功の度合い」を尋ねると、企業側は年功の影響を「小さい」と答えた割合が最も多く57.1%。一方、個人側は「年功所列である」が7.2%、「年功序列がベースだが、能力や成果によってある程度違いがある」が45.6%と、年功序列の影響があると答えた人が過半数を占めた。
企業に今後給与水準の差を拡大する意向があるか聞くと、42.3%が最高水準と最低水準の差を「今後大きくしていきたい」と回答。業種別にみると、「受託システム開発」や「技術者派遣」では「今後大きくしていきたい」との回答が約半数(「受託システム開発」51.8%、「技術者派遣」48.4%)を占めた。
同省は、「給与水準が人材獲得において重要な要素となっていることを踏まえると、高い能力・成果を持つ人材にはこれまで以上に高い水準の報酬を提示していくことも、我が国IT関連企業において求められるようになってきているのではないか」と述べている。