京阪電気鉄道は20日、京阪特急の座席指定特別車両「プレミアムカー」の出発式を行った。「プレミアムカー」は同社の8000系(8両編成)のうち1両を改造した車両。ゴージャスな京阪特急の伝統を引き継ぎつつ、新たな魅力をプラスした車両になった。

淀屋橋駅4番線ホームに8000系が入線。「プレミアムカー」デビューの副標が付いた

「プレミアムカー」では同社初となるリクライニングシートを採用し、横3列(2列+1列)で座席数は計40席に抑えられている。各座席に大型のテーブルが設置され、ノートパソコンを使った作業も可能だ。座席幅は460mm、座席の前後間隔は従来より100mm広がった。日本の鉄道車両では珍しい1扉を導入しており、座席に取り付けられた大型のヘッドレストと相まって、プライベートな空間を確保している。さまざまな工夫により、豪華な京阪特急がさらに進化した印象を受けた。

「プレミアムカー」を連結した一番列車は淀屋橋駅へ6時9分頃に入線。赤色をベースに金色の帯の入った「プレミアムカー」に多くの鉄道ファンらがカメラを向けた。

「プレミアムカー」ではアテンダントも乗務する

淀屋橋駅4番線ホームで行われた出発式には、京阪電気鉄道代表取締役社長の中野道夫氏ら関係者が出席。中野氏は「プレミアムカー」について、「テレビカー」やダブルデッカーを採用した京阪特急の「時代の先取りの流れのひとつ」と表現した上で、「プレミアムカー」の出来栄えを「けっこういい、かなりいい」と評価した。

「プレミアムカー」ではアテンダントによるきめ細かなサービスもポイント。アテンダントは落ち着いたコスチュームを身にまとい、温かな笑顔で乗客を出迎えていた。

早朝にもかかわらず、淀屋橋発の「プレミアムカー」一番列車には多くの乗客が乗り込んだ。京阪初の座席指定特別車両ということもあり、乗客の注目度は高い。多くの乗客が「プレミアムカー」の外観・車内を写真に収めている様子だった。6時40分頃、京阪社員らの合図とともに「プレミアムカー」の一番列車が発車。大阪市内の淀屋橋駅から京阪本線・鴨東線を走行し、京都市内の出町柳駅まで運行された。

出発式では京阪電気鉄道代表取締役社長の中野道夫氏らが出席。テープカットなどが行われ、6時40分頃に一番列車が淀屋橋駅を発車した

京阪特急の座席指定特別車両「プレミアムカー」は、8000系の京都方6号車に連結されている。「プレミアムカー」に乗車する際、乗車券とは別に「プレミアムカー券」が必要。「プレミアムカー券」は発車14日前の10時から列車出発時刻の3分前まで販売される。「プレミアムカークラブ」の会員登録を行えばウェブからの予約も可能だ。

「プレミアムカー」を連結した8000系は特急をはじめ、8月21日から運行開始した全席座席指定「ライナー」列車としても運行される。