俳優の玉山鉄二と女優の佐々木希が夫婦役を演じる、野島伸司脚本のHuluオリジナルドラマ『雨が降ると君は優しい』(9月16日配信スタート、全8話)で玉山と佐々木を囲む主要キャストがこのほど、発表された。『愛しあってるかい!』(89年)以来28年ぶりに野島作品に挑む陣内孝則をはじめ、木村多江、古谷一行(特別出演)、奥菜恵、笛木優子が出演する。

上段左から玉山鉄二、佐々木希、下段左から奥菜恵、笛木優子、古谷一行、木村多江、陣内孝則

野島伸司が脚本を手掛ける同ドラマは、心から愛し合いながらも"妻のセックス依存症性(性嗜好障害の一つ)"という試練を与えられた新婚夫婦、立木信夫(玉山)と立木彩(佐々木)を中心に、心の闇を抱えた男女らの愛と憎しみが交錯する群像劇。地上波作品では描くことが困難なそのテーマ性も相まって、早くも大きな話題を呼んでいる。

陣内が演じるのは、アルコール依存に陥った文芸誌の編集長・倉田和馬を、木村は、倉田と依存症の治療を発端に恋人関係にあって彩のカウンセリングを担当する臨床心理士・小早川志保。また、奥菜は、公私ともに親しい関係にある信夫と彩にも言えない秘密を抱えるファッション誌編集長・新城玲子を、笛木は、最後に視聴者をあっと驚かせる謎めいた流行作家・雫石奈美を、そして古谷は、女性編集者を次々と食い物にしてきたと噂される怪しげな大物作家・小野田史郎を演じる。

陣内は「オファーがきた時は驚きましたし、嬉しかったです」と28年ぶりの野島作品出演の心境を明かし、「しかも、授かった役は“心の闇”というウィークポイントを持つ半面、ともすれば人生を侵されてしまいそうな“危険な色気”のある男。この役を全うするため、多少痩せて現場に臨みました」と告白。「人間誰しもが大なり小なり抱える“心の闇との葛藤”、人間だれしもが持つ“心の弱さ”が生み出す“依存症”という病…。それらを通して、人としての在り様を問うストーリーこそが、この作品の魅力ではないでしょうか。こんなにも面白く、魅力的な作品に参加させて頂き感謝しております」と語る。

木村も「これまで視聴者として野島伸司先生の作品を見てきたけれど、まさか自分が参加できるとは思ってもいませんでした。出演が決まったときは夢のようで、うれしかったです」と感激の様子。「私が演じる志保は、非常に理性的で理知的だけど、感情をコントロールできません。そんな人間臭さが魅力的な人だと思います。ですから、常に客観性を持っている人が、主観的に壊れてしまう自分との間でもがいている、揺れや苦しみを出すことを意識して演じました」と自身の役を説明し、「野島先生の作品の文学的とも言える言葉と空気感、スリルとファンタジーの世界観を、楽しんでいただけたら何よりです」と期待している。