iPhoneの内部はかなり高密度。各種ICやバッテリーなどの部品がぎっしり詰められ、一度分解したら元どおりに組み立てるのはかなり難しい。しかもエンドユーザは蓋を開けることすら困難な構造のため、どこにどのような部品があるかは伺い知れない。
しかし、iPhoneに触れれば、熱を持ちやすい部品がどのあたりにあるかは推定できる。iPhoneにはファンのような強制的に排熱する装置がないため、ボディに熱を伝えることが排熱のもっとも現実的な方法、だからSoCなど発熱量の大きい部品が近くにある部分は周囲より温度が高め、というわけだ。
この理屈を逆手にとると、iPhoneを冷やすスピードをわずかながら速めることができる。そう、iPhone 7であれば「A10 Fusion」、iPhone 6sであれば「A9」が内蔵された位置のあたりがもっとも熱くなるはずなので、そこを重点的に冷やせば全体の冷却もわずかに速まることになる。
もっとも、ムリに冷やすことは禁物。冷却剤をあてるなどもってのほか、強制的に冷やすと内部で結露しかねないからだ。結露は精密機器の大敵、最悪の場合故障につながる。iPhoneの場合、外部に熱を伝えることで冷やすしかない。
その方法だが、銅製の硬貨を用意するだけ。そう、10円玉をヒートシンク代わりに使おうというのだ。iPhone 7の場合、A10 Fusionの位置はバックカメラのすぐ下あたり、そこに10円玉を置けばいい。
実際、室温26度の環境で「ポケモンGO」をしばらく起動してCPU/GPUを酷使し、温度計で37度にまで上昇したタイミングで10円硬貨をバックカメラ下に置き放置したところ(アプリは起動したまま)、10円玉の表面は30秒ごとに31.2度、32.8度、33.8度、34.2度とみるみる上昇した。ただ載せただけで密着度は低いものの、熱伝導率の高い銅がiPhone 7の熱を吸収していることは明らか。
この方法は結露の心配がないし、10円玉が暖まったら別の10円玉に交換すれば効果は持続する。気休めのように映るかもしれないが、心配になるほどiPhoneが熱を持ったときには意外に効果的だ。