米カリフォルニア州アナハイムで7月14日~16日の3日間開催された"ディズニー最大のファンイベント"「D23 Expo」へ行って参りました! その第2弾のレポートは、ディズニー映画の最新情報の発表の模様です。毎回「D23 Expo」ではディズニー映画のアニメーションや実写映画の最新情報の一部解禁が行われますが、今回も情報が盛りだくさん! そこで「D23 Expo」のメインイベントでもある"講演"系を中心に、アニメーションと実写映画の最新情報、そして感動的な「ディズニー・レジェンド」授賞式についてレポート!
そもそも「D23 Expo」って!? "オール"ディズニーで贈る最大のファンイベント
その前に、「D23 Expo」について簡単に説明を。ディズニーには90年以上の歴史を誇る公式ファンクラブ「D23」があり、「D23 Expo」は「D23」による2年に一度開催する特別なイベントのこと。“The Ultimate Disney Fan Event”と銘打っているように、カリフォルニア州アナハイムのコンベンションセンターを会場に、映画、音楽、テーマパーク、テレビ、ゲームなど“すべてのディズニー”が一堂に会する巨大なイベントで、世界中の(濃い)ディズニーファンが大集結します。その日本版「D23 Expo Japan」も2018年、舞浜で開催!
この「D23 Expo」はいくつかの要素で構成されていて、映画の最新情報や「ディズニー・レジェンド」授賞式、コンサート会場としても活用するホールに集まる"講演"系をはじめ、ウォルト・ディズニー・アーカイブスによる特別な展示などを直接見て回る"展示"系が、主だった構成要素です。コンベンションセンター内にはフードコートやグッズ売り場、有名人たちがサインをしていたり、ちょっとしたパレードもあったりと開催中は終日お祭り騒ぎ! 第2回の今回は"講演"系を中心に、主要な要素をレポートしたいと思います!
マーク・ハミルが! スタン・リー御大が! 感動の"レジェンド"授賞式
まずは初日14日の朝に行われた「Disney Legends Awards Ceremony」、すわなち「ディズニー・レジェンド」授賞式をレポート! これはウォルト・ディズニー社が、同社の歴史において最高の栄誉を与えたいと評価した"レジェンド"を称えるというもので、そうそうたる面々が登壇することでも大人気のパネルです。今年はアメコミ界の重鎮スタン・リーをはじめ、『スター・ウォーズ』シリーズの“生ける伝説”マーク・ハミル、多芸な大女優ウーピー・ゴールドバーグ、昨年他界したキャリー・フィッシャーなど合計11人が選出。
それぞれ感動的な受賞スピーチを披露していましたが、同月に奥様を亡くしたばかりのスタン・リー御大が元気よく登壇していて安心しました。お決まりの「エクセルシオール!(Excelsior!!)」という名セリフを言うと、会場ではスタンディングオベーション状態に!
それと『スター・ウォーズ』シリーズのレイア役でおなじみキャリー・フィッシャーの受賞では、彼女の娘で女優のビリー・ラードの手紙を預かったウォルト・ディズニー社の会長兼CEOであるボブ・アイガーが代読することに。同シリーズで共演したマーク・ハミルも、「キャリーとは撮影中に大ゲンカをしたこともあったけれど、お互いに愛し合っていた。信頼していた。深く尊敬し合っていた。心から感謝するよ」とスピーチ。『スター・ウォーズ』シリーズのファンである筆者はマークの言葉を聞いて、初日一発目でもう大号泣です!
この時間のラストは、舞台版『ライオン・キング』のキャストによるパフォーマンスとともに閉会! 筆者がいたプレスエリアからは距離の関係でほぼ見えなかったのですが、会場には巨大なモニターが複数あるので臨場感と大迫力のステージを存分に堪能しました!
大反響の『シュガー・ラッシュ2』、プリンセスの"大奥"状態に拍手喝采!
続いて午後は、「Pixar and Walt Disney Animation Studios: The Upcoming Films」の講演が行われました。ディズニー/ピクサー映画の最新情報を紹介する時間で、ホストは我らがジョン・ラセターです! その一部をご紹介いたしましょう。
このパネルで最大の反響があった作品が、「Ralph Breaks the Internet: Wreck-It Ralph 2」。つまり、あの続編『シュガー・ラッシュ2』(仮題)のこと。なぜ大反響があったかと言うと、劇中にディズニープリンセスが大集結しているシーンがあることがわかったからです。しかも、アリエル、ベル、ジャスミン、ポカホンタス、ティアナ、ラプンツェル、メリダ、アナ、モアナたちが一緒に暮らしていて、それぞれが“言っちゃいけないような女のホンネ”を口にしているという究極の楽屋オチ、ないしディズニープリンセス“大奥”のような人間模様に、会場では爆笑の連続! ムーランやエルサも登場するそうで、衝撃作です!
そしてもうひとつの大発表が、「COCO」。邦題は、『リメンバー・ミー』です! 本作は1年に1度だけ亡くなった家族たちと再会可能な"死者の日"の祝祭を題材に、テーマパークのような死者の国を舞台に展開する笑いと感動のミステリー系アドベンチャー。実は、物語の重要なカギを握ると言われていた邦題にもなっている曲「リメンバー・ミー」が、あの『アナと雪の女王』主題歌を手がけたクリスティン・アンダーソン=ロペス、ロバート・ロペスの、ロペス夫妻ということが判明! この一点だけでも期待大ですが、最後にはミゲル役のアンソニー・ゴンザレス、アーネスト・デ・ラ・クルズ役のベンジャミン・ブラット、そして100人以上ダンサーが登場! 「リメンバー・ミー」の生披露に超感動です!
そのほか同パネルでは、シリーズ続編『Mr.インクレディブル2』(仮題)の最新映像なども披露され、一家のかわいいベイビー“ジャック・ジャック”がとてつもないレベルのパワーを持っているシーンが流れると、会場も大興奮! また、『Olaf's Frozen Adventure』(原題)のプレゼンテーションでは、オラフの新曲披露の映像がお披露目されるも機材系トラブルであえなく中断……では本人に! ということで、オラフ声優ジョシュ・ギャッドがサプライズで登場! 生アフレコ&生歌を披露するなど、楽しい演出の数々とともに終了。
衝撃作そうなSW&お祭り騒ぎのアベンジャーズに大熱狂! マーベルの集大成!
翌15日は、「The Walt Disney Studios Live Action Films」のパネル、つまりディズニーの実写映画の講演です。ここの目玉は何と言っても『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』と、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の2作品! 抜粋して紹介をしましょう!
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のその後を描くシリーズ最新作で、最近では「D23 Expo」で最新情報がお披露目になりますよね。例によって特別映像が解禁され、"ポーグ"というペンギンみたいな新キャラクターも注目を集めそうですが、気になった点はキャストたちの証言! ストームトルーパーの脱走兵フィン役のジョン・ボイエガは、「すべてが逆の方向に動き始める。前作でみんなが思ったことの逆へ」と言い放ち、同じく映像内でマーク・ハミルも、「僕は、すべてを知っていると思っていた。でも、僕がまったく予想もできなかった物語になっているよ」とコメント!
そもそも赤はダークサイドを象徴する色ですが、今回はロゴやポスターに至るまでふんだんに赤が使われていて、穏やかな雰囲気ではないことはわかっていたものの、観客の予想を裏切る方向性に行っているというキャストの証言を聞くと、"スター・ウォーズ史上、最大の衝撃作"という宣伝文句も大げさではなさそうですよね。最近ディズニーづいているベニチオ・デル・トロ演じる“DJ”という役柄も含め、これはもう待ちきれない期待作!
そして同パネルで一番盛り上がった瞬間が、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のプレゼンテーション! ロバート・ダウニーJr.、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ホランドなど豪華キャスト&スタッフ総勢17人が大集結するという豪華すぎるステージングに加え、サプライズで最新作の映像が一部世界初披露! 「今までの全キャラクターが登場する」とケヴィン・ファイギが豪語していましたが、今までのマーベル全キャラクターが最強の敵サノスを前に次々と現れて暴れ回るという内容の映像で、興奮のあまり立ち上がって叫びながら応援する参加者まで出るなど、めちゃくちゃ盛り上がっていました!
実は2018年の来年、マーベル・スタジオは10周年を迎えるということで、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、その記念すべき節目の作品になるわけですね。今まで登場したキャラクター全員が登場するということは、すわなりマーベル・シネマティック・ユニーバースの集大成的な意味を持っているわけで要するにお祭り! ディズニー・パークスのほうでもマーベルは続々と展開していく予定があるので、こちらも期待しかない!
そのほか、個人的に気になった『メリー・ポピンズ・リターンズ』(原題)をはじめ、名作アニメーションの実写映画化ラッシュも凄まじく、『ライオン・キング』、『アラジン』、『ダンボ』、『ムーラン』、『ジャングルクルーズ』などの情報が続々と! 特に『アラジン』のキャスト発表と、『ライオン・キング』の映像の一部がお披露目になった瞬間は、会場もどよめいていました。まだ先の作品も多かったですが、最新作の完成が待ちきれないですね!
■著者プロフィール
鴇田崇
映画&ディズニー・パークスを追うフリーライター。年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートをひたすら取材しまくる。ジョン・ラセター、アラン・メンケン、キャスリーン・ケネディ、バイロン・ハワード、ティム・バートンなど、ディズニー映画関連人物のインタビュー経験も豊富。世界のディズニー・パークスでは東京だけでなく、アナハイムも偏愛している。
instagram→@takashi.tokita_tokyo