説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhone 7は防水なのだから、海辺でもOKですよね?』という質問に答えます。

***

いえ、海辺での利用は避けたほうが賢明です。iPhone 7/7 PlusはIEC(国際電気標準会議)やJIS(日本工業規格)が定める防塵・防水保護等級「IP67」に適合しており、一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水しない「防浸形」ですが、海水となると話は別です。

まず、それらの保護等級のテストは真水で行われていることを留意する必要があります。3.5%前後の塩分以外にも海水にはいろいろな不純物が含まれているため、より厳しい目で見る必要があるからです。砂や藻も多く、それがiPhoneに付着すればまた異なる影響が生じます。

【関連記事】
iPhoneの防水性能を正しく知る、お風呂で使っても問題ない?

iPhoneにかぎらず、防沫/耐水/防塵性能が永続するものではない点も考慮すべきです。確かに、iPhone 7/7 PlusはIP67等級に適合していますが、それは工場出荷時点の状態であり、シリコンなどの防水用部材は経年劣化により性能が低下します。iPhoneを落下させるなどすれば、たとえわずかでもフレームが変形すれば耐水性能には大きな影響が生じます。

むき出しのLightning端子も、海水への耐性は低いと考えるべきでしょう。iPhone 7/7 PlusのLightningポート内は、金属の接点部がむき出しの状態ですから、そこに不純物を多く含む海水が付着すると、乾いたときに塩分が残り悪影響を生じます。付着したのが真水だとしても、よく乾燥させずに充電するとショートの危険性があるため、そもそも濡らさないほうがいいのです。

それに、Appleは「液体による損傷は保証の対象になりません」とiPhone 7のWEBページ上に明記しています。海辺にiPhoneを持ち出すつもりなら、ある程度の覚悟は必要かもしれません。

iPhoneを持って海辺へ出かけても、浜辺へは出ないほうがいいでしょう(写真はイメージです)