シンガポール航空は8月16日、CAE社と共同でシンガポールにパイロット訓練センターを設立することで合意し、覚書を交わしたことを発表した。このジョイントベンチャーは、ボーイング社製航空機用のシミュレーター提供を主に、シンガポールにおけるシンガポール航空グループやその他の航空会社のパイロット訓練のニーズをサポートする。
両社の折半出資による今回のジョイントベンチャー施設は、チャンギ空港近くに位置するシンガポール航空の訓練センター(STC)より活動を開始する。シンガポール航空は、まずボーイング機用のフルフライト・シミュレーター4基をジョイントベンチャーに移管し、その後順次、CAE社製の訓練装置を追加していく予定。この訓練施設では、ボーイング737MAX、747、777、787に対応した広範囲なイニシャル・タイプレーティング訓練や、リカレント訓練を提供する。
シンガポール航空のゴー・チュン・ポンCEO は、「航空業界の今後の見通しは明るく、新たにCAE社と設立する飛行訓練のジョイントベンチャーが、航空業界を牽引するハブとして、シンガポールの地位をさらに向上させると確信しています。シンガポール航空グループのさらなる成長を推し進める保有機数の拡大とともに、今回のジョイントベンチャーは、当社の訓練だけでなく、この地域に拠点を置く他の航空会社の訓練にも対応していきます。
また、世界有数の民間航空教育機関であるCAE社との投資は、新たな隣接事業から得られる収益を拡大するための当社の活動と一致しています。CAE社の専門技術を取り入れたこの訓練センターは、アジア太平洋地域有数のボーイング社製航空機の訓練施設になるものと確信しています」とコメントしている。
このジョイントベンチャー設立は、最終的な取引書類の締結、慣習的な完了条件、関係当局の認可を前提とし、業務開始時期はそれらの認可を前提として、年内を予定している。