日立アプライアンスは8月9日、コードレス・スティック クリーナー「パワーブーストサイクロン」の新機種「PV-BEH900」と「PV-BEH800」を発表した。9月16日から発売し、価格はオープン、推定市場価格(税別)はPV-BEH900が税別90,000円前後、PV-BEH800が税別80,000円前後。同日に開催された発表会から、実機の概要をお伝えしよう。

PV-BEH900/800

日立アプライアンスでは、6月にも自立するパワーブーストサイクロンの「PV-BE700」を発表、7月から販売しているが、今回のPV-BEH900とPV-BEH800は、ハンディサイズのボディを基本に、用途に応じて使い分ける8種類のヘッドやブラシが付属する仕様となっている。

ヘッドやブラシを付け替えることで、床や階段、家具の下などの低い位置だけでなく、テーブルの上や棚、引き出しの中、布団、自動車の座席など、さまざまな場所が手軽に掃除できる。PV-BEH900とPV-BEH800の違いは本体カラーと付属品の有無のみで、本体の機能や性能に差はない。上位モデルのPV-BEH900はシャンパンゴールド(N)とブルーイッシュシルバー(S)の2色を用意。PV-BEH800はホワイト(W)の1色となる。

床や階段はもちろん、テーブルや棚の上、サッシレール、網戸、引き出しの中など、従来掃除しづらかった場所も立体的に掃除できる

大きなL字グリップを採用しており、スティックで使う時やハンディで使う時、掃除する場所などに合わせて、握る位置を調整することで、女性でもできるだけラクに持てるよう工夫している

カセット式充電池やLED、多彩なブラシ類など高い利便性

日立アプライアンスのユーザー調査によると、掃除しづらい場所や困っている点として、サッシレール、網戸、高い場所のほこり、テレビなどの配線まわりといった場所が上位に挙がった。

掃除しづらい場所のトップ2は、サッシレールや網戸の掃除。調査日が12月でこの結果と考えると、真夏日に同じアンケートを取ったらもっと票が伸びそうだ

従来のクリーナーではなかなか思うように掃除できない、これらの場所をいかにストレスなく掃除できるようにするか、PV-BEH900/800の開発コンセプトはここにある。

例えば、日立独自の小型・軽量ハイパワーファンモーターでは流体解析により固定翼(ディフューザー)の長翼19枚を短翼15枚に変更。最適化により5%の効率向上を実現したほか、集塵部の損失低下のため、空気の流路も見直し、吸い込み性能を高めている。

ヘッドにはゴミの取りのがしを防ぐ「シンクロフラップ」や「ロングローラー」を搭載。暗い場所も見やすいLEDライトや壁際のゴミに強い「きわぴた構造」なども採用する。

会場では重量3kgのボーリング玉を吸引力で持ち上げるデモンストレーションを実施。従来機のPV-BD200では持ち上がらなかったが、PV-BEH900ではしっかり持ち上がった

シンクロフラップは、ヘッドを押すときは倒れて前方のゴミの吸い取りを容易にし、引くときは立ってゴミの取りこぼしを防ぐ

利便性の点では、ダストケースを外さなくてもゴミがそのまま捨てられる「ごみダッシュ」や、交換して使えるカセット式のリチウムイオン充電池を採用する。

電池は満充電で標準モード約40分の掃除が可能となっており、別売りの電池も使えば最長80分の連続運転が可能だ。別売りのカセット式リチウムイオン電池は税別12,000円を予定。充電は本体を通して行うため、予備のバッテリーも掃除前に充電しておくのが望ましい。満充電満放電で約1000回の利用に対応する。

ハンディは排気が体に当たるのが気になることがあるが、排気方向を変更できるシャッターが備わっているのも面白い。細かいが評価したい良い工夫だ

付属のヘッドとブラシの一覧。PV-BEH800はこのうちの「ほうきブラシ」「スマートホース」「ハードブラシ」の3つが付属しない。個別の追加購入も可能にする予定だが、価格は未定とのこと

ほうきブラシの吸い込み口。ブラシの毛の中央に経の細いパイプが入っていて、このパイプより大きいものは吸い込まない仕組み。ブラシの毛が堅いので、網戸やサッシレールの掃除にも使いやすい

ほうきブラシを使えば、クリップやコインは残して、ホコリや消しゴムのカスは吸い込むといった掃除が簡単に実現する。コード類の上からもそのまま掃除できるので、片付けが苦手な人ほど重宝しそうだ

ミニパワーヘッドを使えば、布団や自動車の座席などの掃除も簡単。LEDで暗い所も照らせるので見えづらい場所もきれいにできる

全体的に小回りの利く高い利便性が魅力であり、一人暮らしや二人暮らし世帯はもちろん、目についた汚れだけサッと掃除したい人にもオススメ。特に付属のほうきブラシは、棚や引き出し、荷物の多い部屋、ケーブルが床を這いまくっている部屋などにも便利だろう。

なお、同時にシリンダータイプ(キャニスター型)の紙パック式「かるパック」2機種とサイクロン式「2段ブーストサイクロン」2機種の新製品も発表している。かるパックはパワーブーストサイクロンと同じ9月16日発売。2段ブーストサイクロンは少し遅れて10月21日だ。

価格はいずれもオープン。推定市場価格(税別)は、かるパックの上位モデル「CV-PE700」が65,000円前後、下位モデル「CV-PE500」が55,000円前後。2段ブーストサイクロンの上位モデル「CV-SE100」が40,000円前後、下位モデル「CV-SE90」が30,000円前後となる。

この夏の日立のクリーナーのラインアップ