米Facebookは8月9日 (現地時間)、「Watch」という新しい動画コンテンツ配信サービスを発表した。Facebookのソーシャルネットワークや広告配信ネットワークを利用して番組コンテンツを提供するチャンスをクリエイターやコンテンツプロバイダーに提供する。報道によると、Facebookが制作資金を提供するオリジナルコンテンツも含まれる。競争が激化する動画ストリーミングで、NetflixやYouTube、Amazon、Appleなどと競り合うプラットフォームになりそうだ。まずは米国において一部のユーザーグループから提供を開始し、順次提供範囲を拡大していく。クリエイターに対しても、少数のパートナーの作品提供からスタートして最終的にはあらゆるクリエイターが参加できるようにする。
Watchは、Facebookの動画タブを「番組コンテンツ向けの新プラットフォーム」として再デザインしたもの。利用できるようになると、モバイルアプリ、Webアプリ、TVアプリにおいて動画タブに代わる形でWatchにアクセスできるようになる。動画コンテンツはライブも録画もあり、またリアリティショーからコメディ、スポーツ中継まで幅広い種類の番組コンテンツに対応できるという。予定されている番組は、FacebookやYouTubeで人気のNas Daily、ベストセラー作家Gabby Bernstein氏のライブショー、メジャーリーグの試合中継など。
ユーザーは「Watchlist」で番組をフォローして、視聴中の番組の続きを見たり、新しいエピソードを管理できる。また、友達やコミュニティの反応などからユーザー向けのオススメがパーソナライズされる。たとえば、「Most Talked About,」というセクションでは、コミュニティで活発な話題になっているコンテンツにスポットライトが当てられ、「What’s Making People Laugh,」というセクションには「うけるね」をたくさん付けられたコンテンツなどが集められる。また「What Friends Are Watching,」には、つながっている友達がフォローしているコンテンツが表示される。Facebook Liveでは視聴者のコメントや反応の広がりによってユーザーの動画コンテンツとの関わりが深まっていることから、Watchでは番組を視聴している間に友達や同じコンテンツを見ている人たちのコメントをチェックできるようにし、また番組コンテンツ専用のFacebookグループに参加できるようにした。
The Vergeの報道によると、オリジナルコンテンツ制作はWatchの魅力を伝える起爆剤として行っている。いずれ軌道に乗ったら、オリジナルコンテンツへの前払いの制作資金提供は止めて、広告売上の55%をコンテンツクリエイター、45%をFacebookで分けるモデルに移行させる。Facebookの狙い通りにWatchが成長すれば、これまでTV番組に投じられていた広告予算をFacebookが獲得できる可能性が高まる。