映画『劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング/宇宙戦隊キュウレンジャー THE MOVIEゲース・インダベーの逆襲』の舞台あいさつが5日、東京・丸の内TOEIにて開催された。中澤祥次郎監督や主演の飯島寛騎ほか、『仮面ライダーエグゼイド』の主要キャストが登壇し、映画のお楽しみポイント、および1年間にわたって放送されてきたテレビシリーズの終了を間近に控えての、さまざまな思いなどを語った。

左から、中澤祥次郎監督、甲斐翔真、松田るか、松本享恭、飯島寛騎、瀬戸利樹、岩永徹也、小野塚勇人、黒崎レイナ

『劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』は、現在最終回に向けて大盛り上がりを見せているテレビシリーズ『仮面ライダーエグゼイド』の"真の最終回"を描くという触れ込みで、大いに話題を集めている。公開日の翌日(8月6日)に放送された第42話「God降臨!」では、「テレビシリーズの後日談」にあたる映画につながっていくさまざまな要素が確認されていて、すでに映画を観た人、そしてこれから映画を観る人のどちらも楽しめる緻密な仕掛けが施されている。

最新ゲームジャンルである「VR(仮想現実)」を取り入れた斬新な映像表現や、作品の重要なテーマである「生命の大切さ」の見事なまでの描き方、さらには永夢と仲間たちがそれぞれ異なった立場から互いに協力し合って一つの目的を果たすという仮面ライダー同士の連携プレイ、そして映画で初めて本格的に姿を現す新ヒーロー・仮面ライダービルドなど、数多くの見せ場が盛り込まれた映画の上映後、興奮冷めやらぬ観客の前にキャストたちが登壇した。

「ノーコンティニューで、ゲームを作るぜ!」という映画の決めゼリフとともにあいさつを行った仮面ライダーエグゼイド/宝生永夢役・飯島寛騎は「ようやく8月5日になった、夏が始まったな!という気がします」と、待望の映画公開初日を迎えてハイテンション気味。映画の裏話として、「撮影に入る前に僕と瀬戸くんが医療の講習を受け、永夢や飛彩の患者さんに対する動きなどに生かされた」と、本格的な医療講習が実際の演技に役立ったことを明かした。テレビシリーズがいよいよ完結間近となったのを受け、この1年で自身が変わったところを問われると、「まだ俳優として土台ができていない中で、いろんな経験をさせてもらい、多少なりとも成長したと思います。あと、少し背が伸びました」と、1年間にわたる『エグゼイド』の撮影を経て、たくましく成長できたことをしみじみと実感していた。

「俺は世界で一番のドクターだ!」と、若き天才外科医というキャラクターならではの名ゼリフを発しながらあいさつを行ったのは、仮面ライダーブレイブ/鏡飛彩を演じる瀬戸利樹。映画ではVR空間の中で、ある少女の父親役を演じたため客席から「パパー!」と声がかかり、照れ笑いする場面もあった。

映画での飛彩の見どころを尋ねられると「映画では、実際に使われている本物の手術室でオペシーンの撮影をしたんです。僕らからすると、手の届かないような金額の最新機材を使わせていただき、緊張しました(笑)」と、本物の手術室、手術用具の持つ迫力を実感したことを伝えた。テレビシリーズを振り返っての感想としては「俳優としての自覚をよりいっそう持つようになった1年。SNSでも多くのファンの方たちに見られるようになり、私生活でもしっかりしていければ」と、今後の俳優生活においてもファンの期待を裏切らないように努めることを宣言した。

クールな無免許医だが、長きにわたる飛彩とのわだかまりが解け、永夢たちの仲間となった仮面ライダースナイプ/花家大我を演じる松本享恭は、「まさか第1話以来の『バーン!』があんな形で来るとは……」と、VR空間での役柄「徒競走スタートのピストルを担当する学校の先生」を演じたことに触れた。

運動会のシーンでは「周りには小学生がいっぱいいて、楽しかったけど恥ずかしかった」と、照れながらもまんざらでもない様子。さらに、テレビシリーズを振り返った松本は「1年間同じ役を演じたことで、役との向き合い方が自分の中で変わった、何かをつかめたかも」と、演技についての取り組み方に変化が訪れたことを明かし、「役者としてこうなりたい、という欲が増してきてよかったと思う」と、今後の俳優人生を歩んでいく上で大切な何かをつかんだことを熱っぽく語った。

「ハッピーエンドだねっ!」と映画での印象的なセリフとともにあいさつを行った仮面ライダーポッピー/ポッピーピポパポ/仮野明日那役・松田るかは、「エンドロールのところで、永夢や飛彩、大我たちのその後が観られるんですけれど、あれってゲムデウスマキナを倒してから1年後の姿なんです」と、映画本編とエンディングでおよそ1年間の開きがあることを説明した。

テレビシリーズを振り返って変化したこととしては「ポッピーと明日那という、同一人物ではありますが2つの役を演じさせてもらったり、歌も歌わせてもらったり……いろいろなことをやらせてもらって、自分の引き出しが増えたと感じました」と、『エグゼイド』に出演したことによってさまざまな経験ができたと、満足気な表情で語った。

「君たちは最高のモルモットだぁーハハハハッ!!」と、常に振り切った演技でファンを魅了する新檀黎斗役・岩永徹也は、「黎斗はテレビではコンティニューをしまくっているんですけれど、映画ではついに残りライフが1になってしまいます」と、テレビシリーズの最終展開と映画とのリンク部分について触れ、ファンからの興味を煽った。

また「パラドと黎斗のガシャットが地面に落ちた場面で、永夢はパラドじゃなくて黎斗のほうを取ってくれるんです。ふだんパラドと仲良くしているのに、"神"を選んでくれた!」と、永夢に向かって満足そうな笑顔を向けたのだが、中澤監督から「あれはたまたまパラドのガシャットが遠くに飛び過ぎたから。永夢はパラドのガシャットのほうを見つめている」と真相を聞かされて複雑そうな顔になっていた。

幻夢コーポレーションCEOとして登場し、一度ゲームオーバーとなって消滅したものの、バグスターとなって復活した上に「新檀黎斗(しん・だんくろと)」と改名。さらに第42話で「檀黎斗神(だんくろと・しん)」を名乗るなど、悪ノリともいえるオーバーアクトで視聴者を魅了した岩永は、「1年前の制作発表のとき、黎斗ってどんな人?と聞かれて『エリートで頭がいいんですけれど、それを鼻にかけない、さわやかな若社長』と答えていましたが、1年経ってずいぶん変わったなあ~と。1年前はこうしてみなさんの前に立つと『社長!』と呼ばれたんですが、今や『神!』ですからね(笑)」と、ストーリー展開に沿って変化を重ねていく自身のキャラクターを愛してくれた、多くのファンに感謝の言葉を述べた。

ゲンムによって消滅させられたが、仮面ライダークロノスによってバグスターとして復活した仮面ライダーレーザーターボ/九条貴利矢を演じる小野塚勇人は、仮面ライダーになって良かったこととして「甥っ子や姪っ子から尊敬の目で見られるようになって気分がいい」という部分を挙げた。

消滅から復活まで短くない期間があったことについては、「第12話で一度退場して、復活するまでに長い時間があり、その間『エグゼイド』の盛り上がりなどは、観ているみなさんの様子から熱気として伝わった。その中に再び自分が入ることによって、マイナスになっちゃいけない、プラスにしないといけないと思って、第12話までの貴利矢ではなく、もっともっと自分が出来ることをやろう、より役を広げていこうという作業を行うことができた。役に対しての作り方が自分の中で変わった1年でした。勉強させてもらいました」と、波乱に富んだ役どころだからこそ、役を演じることについてじっくりと考えることができたと真摯に語った。

人類を脅かすバグスターの中心的存在だったが、自分と密接なつながりを持つ永夢から「生命の大切さ」を教えられてからはともに力を合わせて「ラスボス」と戦う仲間になった仮面ライダーパラドクス/パラドを演じる甲斐翔真は、「この前放送した第39話で、第1話の場面がインサートされたんですけれど、それを観たとき『ぜんぜん心が躍ってねえじゃん』なんて思ってしまいました(笑)。そういう意味では、1年間で芝居も成長したのかなって思いましたし、『エグゼイド』で俳優というものを勉強させてもらって、一生の仕事としてやっていきたいと思うようになりました」と、1年間のテレビシリーズで成長できたところを的確に自己分析した。さらに「あと、身長も少し伸びたかな」と話すと、小野塚から「パラドと貴利矢の並びのカットがなくてよかったよね。パラドのアップに合わせると、俺が頭のところしか映らない(笑)」という、身長差をネタにしたジョークが飛び出して客席を沸かせた。

バグクターウィルスに感染してゲーム病にかかった経験を持つことから、病院で人を助ける仕事に興味を持ち始めた天才ゲーム少女・西馬ニコ役を演じる黒崎レイナは、「映画を通じて医療のことをみなさんに知ってもらえたら」と、かけがえのない生命を助けるドクターライダーたちの活躍を強調した。

そして、映画のVR空間の中でランドセルを背負ったまま運動会の徒競走を頑張るニコの姿を指摘されると、「小学生のコスプレをしたのは初めてなんですよ~」と照れくさそうにコメント。周囲から「いや、そんなに違和感なかったよ」とその姿を絶賛されると、「今の小学生よりは大人っぽいでしょ」と、やや背伸びした発言で大人っぽさをアピールした。

走りについて、台本では「ぶっちぎり」と書かれていたものの、実際の映像では他の小学生といい勝負をしていた黒崎に「足、遅いよね」というツッコミが集中したが、黒崎は「それ言わないでよ、恥ずかしい! 平均なんですよ。50m走9秒台で……」と弁解すると、さらに小野塚から「いや遅いよ!」と被せるようにツッコミが飛んできた。最後に、ニコという役を振り返った黒崎は「こんなに長くひとつの役を演じ、掘り下げることがなかったので、演技に対する考え方などが変わりました。また、もともと『仮面ライダー』を観ていたのですが、『エグゼイド』に出演したことで、より"仮面ライダー愛"が強まりました」と、女優としての成長をうかがわせるしっかりした言葉を残した。

劇場版およびテレビシリーズのメイン監督を務めている中澤祥次郎監督は、「公開初日を迎えられて感無量です。この映画はエグゼイドの集大成。みんな雨に濡れて、よく頑張ったね……悪かったね!(笑)」と、映画の随所で降り注ぐ雨の中で熱演を繰り広げたキャスト陣の頑張りをねぎらった。

特に主演の飯島に対しては、「初めて会ったときは、まだ北海道から上京して1か月くらいしか経っていなかったんだよね。考えてみれば『エグゼイド』が決まるまでは、北海道でのんびり大学生活をしていたんだなあって。急にパーッと(芸能界に)放り出されて大変だろうなと思っていました。最初はもちろん、芝居とかもうまくできなかったけれど、日々努力して……したんだよね、きっと(笑)。目つきも変わって、役者の顔になってきた。1年経って、すごく安心して見られる役者になりました。俳優としては、まだまだこれからが大事なところ。ぜひ頑張ってほしいと思います!」と、この1年で見せた飯島の著しい成長を誰よりも喜び、今後のさらなる飛躍を願っていた。

マスコミ向けフォトセッションに入る直前、飯島へのサプライズとして、彼の母親からのメッセージが読まれることになった。「あれこれ考えるより、まず行動。その行動力でこれからも自分の可能性を広げていってください。少し早く親元を巣立ち、最初は心配もありましたが、毎週テレビを通して元気でいる姿、しっかりお仕事に励んでいる姿を観て、心配もいつしかやわらいでいきました。素敵な作品にあなたが出会えたことに、ただただ感謝をするばかりです」という、心のこもった母親からの文面を耳にした飯島は「ぜんぜん知らされてなかったので、驚きました。母ちゃんありがとう!」と感激しつつ、心から母親に感謝の言葉を述べた。さらには「ふだんは『今日は母の日だよ、何かくれないの?』とか言ってるような母ちゃんなんですが(笑)、こういう改まったお手紙をもらうとすごく嬉しいですし、今後も頑張らなくちゃと思います。みなさんも、あたたかい目で応援してください」と、大勢の『エグゼイド』ファンにさらなる応援を呼びかけた。

映画『劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング/宇宙戦隊キュウレンジャー THE MOVIE ゲース・インダベーの逆襲』は、全国東映系劇場にてロードショー公開中。入場者には「劇場版限定ブットバソウルメダル」(全2種のうち1つ/全国合計70万限定)、「キュウレンジャーライセンス」(全2種のうち1つ/全国合計50万限定)がプレゼントされる。