説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『テザリング費用を節約する方法は?』という質問に答えます。

***

テザリングは、Wi-FiやUSBなどで接続した機器を利用し、スマートフォンで利用している携帯電話会社の回線(セルラー回線)を経由して通信する機能をいいます。スマートフォンがルータとして機能することで、直接セルラー回線に接続できないパソコンやタブレットでも場所を選ばずインターネットに接続可能となります。

テザリングは通信会社が提供するオプションサービスですが、iPhoneを三大キャリアで購入した場合、契約から2年間は事実上無償で提供されています(3社とも2018年3月までの暫定措置)。そのため、テザリング費用が毎月固定費として発生するケースは少なく、解約による金銭的な意味での節約は期待できません。いわゆる格安SIMについても同様で、テザリング費用の節約とは「できるだけパケットを使わないこと」とほぼ同義です。

その方法ですが、ルータとしての機能するiPhone側で取れる対策はありません。WEBブラウジングやメールの送受信など、パケット消費の指示を出すのは子機であるパソコン/タブレットだからです。子機で動画/音楽ストリーミングサービスの利用を控える、WEBブラウジングやファイルダウンロードは子機が直接インターネットに接続しているときに持ち越す、といった配慮を行うことが現実的な対策といえるでしょう。

見落としがちな点としては、ファイル共有サービス/オンラインストレージサービスの自動同期機能が挙げられます。自動同期機能は現在利用している回線がテザリング経由かどうかを判定しませんから、テザリング中に動作し始めると大量のパケットを消費します。そのようなサービスをパソコンで利用している場合は、自動同期機能をオフにしておきましょう。SNSの動画自動再生機能も通信回線について配慮しないため、テザリング中はパソコンでSNSは使わないことをお勧めします。

iPhone側からテザリングに伴うデータ量を制限できないため、子機のパソコン/タブレット側で通信を発生させないよう注意するしかありません