7月30日、世界最大級のガレージキットイベント「ワンダーフェスティバル2017[夏]」が千葉県・幕張メッセにて開催。ワコムブースでは、毎回、体験コーナーを設置し、今回は液晶ペンタブレット「Wacom Cintiq Pro」と「Wacom MobileStudio Pro」と、CG/Game/VFX制作向け3Dモデリングツール「ZBrush」(ズィーブラシ)を体験できた。
ブース内の「WACOMプレゼンツ デジタル原型ステージ」では、デジタル原型製作の最先端を楽しみながら学べる初心者向けステージを数多く開催。本稿では「ZBrush 4R8で行う デジタルフィギュア制作について」と題して行われた、「ZBrush」最新バージョン「ZBrush 4R8」のプレゼンテーションの模様をお届けする。
ZBrushのインタフェースが日本語対応
講演に登壇したのは、「ZBrush 4R8」の開発元、Pixologic社のシニアマーケティングディレクター、トマ・ルーセル氏。トマ氏は、まず「ZBrushはデジタル粘土。いくつかのブラシツールを使って伸ばしたり、へこませたりすることで手軽に作品を作ることができます」とZBrushの基本操作を紹介した後、6月の無料アップグレードで日本語対応した「ZBrush 4R8」の新機能を紹介した。
まず、新たなバージョンアップで大きく変化したのが、インタフェースが日本語に完全対応したこと。メニューから英語、中国語(簡体字)、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、スペイン語の選択が可能となり、ソフトを起動することなく言語変更できる点も見逃せない。
新機能としては、3次元を自由に操作する「ギズモ 3D」を搭載した。これは、緻密な操作や変形を手軽に行えるコントロールUIエレメントで、わかりやすく言えば、複数の物体を一度に変形できる機能。この機能を利用すれば、例えばロボットの腕を動かしてもその周辺の物体も自然な動きで変形させることができる。
内部構造をリアルタイム確認できる「ライブ・ブーリアン」
さらに「ライブ・ブーリアン」機能を新たに搭載。ブーリアン機能はすでに備えていたが、今回はリアルタイムで内部構造がどうなっているかを確認でき、3Dプリンタでの出力ミスの軽減にも役立てられるという。
このほか、ワンストロークでリアルな鼻の形や爪、鎧の装飾などの造型を制作できる「ベクターディスプレイスメントメッシュ」や、スカルプトモデルやシェイプをワンクリックするだけで3Dのアルファ画像に変換できる「3Dアルファ」、テキストやシェイプなどから立体を制作する「3Dテキスト」、ストロークが継続できる「レイジーマウス 2.0」といった数多くの機能を搭載された。
トマ氏はZBrush初心者に向けて、日本の公式YouTubeチャンネルで基本操作の動画を紹介しているほか、映画やゲーム製作のトップクリエイターたちがZBrushを使ったライブ動画も配信しているので、チェックしてほしいとアピール。
ちなみに、2017年8月5日には、「デジタルハリウッド東京本校」(東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ アカデミア 3F)にて、「ZBRUSH MERGE」を開催。このイベントでは、第一線で活躍するアーティストのZBrushの作品・ZBrushのワークフロー・制作プロセスを観ることができる。入場は無料だが、座席数が100に限られているため、事前登録が必要となる。