日に日に競争が激しくなるMVNO市場では、多くの事業者がNTTドコモの帯域を借りてサービスを提供する性質上、他とは違う個性を打ち出すことが求められている。ソニーネットワークコミュニケーションズによる「nuroモバイル」は8月1日に発表会を開催し、これまでのMVNOにはない「データ前借り」や「深夜割」という個性的なプランを打ち出してきた。
「データ前借り」や「深夜割」が面白い
nuroモバイルが国内MVNO初とうたうのが、「データ前借り」だ。翌月分のデータ容量を前借りして利用できるサービスになる。余ったデータを翌月に繰り越す仕組みには多くの事業者が対応しているが、前借りというのは前代未聞だ。
nuroモバイル事業を統括するビジネス開発部 部長の細井邦俊氏によれば、29日や30日など月末になるとデータ容量が足りなくなるユーザーが増えるという。若者の間では「ギガが足りない」と呼ばれる現象だが、スマホユーザーなら誰しも似たような経験があるはずだ。
多くの事業者は、こうした場合にデータの追加購入を勧めてくる。だが、数日程度なら低速のまま我慢するユーザーも多いという。それならば、翌月から少しだけ前借りできるようにする、というのは面白いアイデアだ。
もうひとつの新サービスが「深夜割プラン」だ。深夜1時から6時という5時間に渡って、データ容量の制限なく高速通信を利用できるサービスを月額1,500円で提供する。
ライフスタイルの多様化に伴い、夜勤などで深夜のスマホ需要が増えていることにnuroモバイルは注目した。深夜以外の時間帯は200kbpsの低速通信になってしまうとはいえ、他のSIMカードと併用したいユーザーにも訴求しそうだ。